年金に期待したくはありません。20代の私が、40年後に「年金に頼らない」ためには、どうしたらよいでしょうか?
将来の年金制度に対する不安から、「年金に頼らず自分で老後資金を準備したい」と考える若い世代が増えているようです。20代の今から計画的に資産形成を進めることで、40年後も経済的に安心できる老後を迎えることが可能です。この記事では、20代の若者が年金に頼らないために、今からできることを解説します。

▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説

将来の必要資金を明確にする

まずは、老後にどれくらいのお金が必要になるかを把握し、自分の目標を明確にしましょう。
 
生命保険文化センターが行った調査によると、一般的に、夫婦2人で最低限度の老後の生活を送るには、月々23万円程度が必要とされています。なお、令和6年度の平均的な夫婦の年金支給額は、月23万円程度とされており、年金収入だけではギリギリの生活となりそうです。
 
また、老後の生活スタイルや目標によって、必要な資金は変わります。例えば、旅行や趣味にお金をかけたい場合、さらに上積みが必要です。もし、そのようなゆとりのある老後の生活を送るならば、必要な額は約38万円となり、平均的な支給額の年金では15万円ほど不足します。
 
なお、物価のインフレも考慮する必要があります。40年後の物価が、現在とは大きく異なる可能性がある点には、注意が必要です。
 

資産運用を今すぐ始める

20代から老後に備えることの最大のメリットは、時間を味方にできることです。少額でも資産運用を始めることで、複利の力を活かして、資産を大きく増やすことが可能です。貯金をしていても利子がわずかにつきますが、現在の金利では誤差の範囲に近しいものであり、それには期待できません。
 
むしろ、将来的なインフレも加味すると、貯金だけでは資産が目減りしていったり、現在の予想額よりも老後に必要な資産額が増えたりする可能性もあります。そう言った事態を防ぐために、資産運用を行うのです。
 
例えばNISAを使って、毎月2万円を年利3%で40年間運用すると、元本960万円に対して運用益は892万円と、元利合計で同額の貯金の約2倍にすることができます。また、60歳まで拠出したお金を取り崩すことができませんが、iDeCoを使ってNISAのように資産運用をするのもよいでしょう。
 
なお、NISAやiDeCoを使わずに資産運用することもできますが、仮に投資信託で資産運用すると、運用益には約20%の利益がかかる点に注意してください。
 

収入と支出のバランスを取る