将来相続する地方の実家、住む予定がなく「空き家」に! 更地にして「売る」と譲渡所得額から「3000万円」の「控除」を受けられるって本当?
相続した空き家(被相続人が住んでいた家)を一定期間内に、一定の要件を満たす形で譲渡した場合、その譲渡所得の金額から3000万円を控除できます。この制度を詳しく見てみましょう。   ※ 相続した相続人の数が3人以上の場合は2000万円の控除です。

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制度のイメージ

被相続人が住んでいた家屋と土地を相続し、空き家になったものを更地にするか耐震改修した後に譲渡した場合に、その譲渡所得の金額から3000万円を控除できます。
 
令和6年1月1日以降の譲渡は条件が緩和されて、売買契約に基づいて、買主が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修、または更地の工事を行った場合、工事の実施が譲渡後であっても適用対象となります。

<対象となる被相続人居住用家屋およびその敷地とは>

●相続の開始の直前に被相続人が住んでいたこと
●昭和56年5月31日以前に建築されたこと
●マンションなどのような区分所有建物でないこと
●相続の開始の直前に被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
(相続の直前に老人ホーム等にいた場合も該当します)

 

特例の適用を受けるための要件

適用を受けるための要件は以下のとおりです。

(1) 譲渡する人(売却する人)が、相続等により被相続人居住用家屋・敷地等を取得した相続人であること
(2) 次のイ、ロ、ハに該当する売却をしたこと
イ 相続等により取得した被相続人居住用家屋・土地を売ること
この場合、事業・貸し付けしていないことや譲渡の時に一定の耐震基準を満たすものであることも必要です。
ロ 相続等で、被相続人居住用家屋の全部の取り壊し等をした後の敷地等を売ること
ハ 相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋・敷地等を売る場合で、相続の時から譲渡の時まで事業・貸し付けしていないこと
・譲渡の時からその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、一定の耐震基準を満たすこと
・譲渡の時からその譲渡の日の属する年の、翌年2月15日までの期間において、被相続人の居住用家屋のすべての取り壊し等を行ったこと(令和6年1月1日以後に行う譲渡に限ります)
(3) 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
(4) 売却する代金が1億円以下であること