【注意】「マイナンバーカード+4桁の暗証番号」がセットで漏れれば、甚大な情報漏洩のリスクが? 実際の詐欺事件を例に「リスクと対策」を解説
マイナンバーカードは本人確認のための重要な手段です。ただ、カード本体と4桁の暗証番号をだまし取られたら、簡単に本人に成りすますことができるため、さまざまな取引などに悪用されかねません。   マイナ保険証が普及してきている今こそ、注意が必要です。実際に詐欺被害が発生しており、今後新手の詐欺被害も起こりうるでしょう。本記事では、厚生労働省、警察、自治体などの注意喚起を紹介し、また実際の犯罪事例を取り上げながら詐欺被害防止策を考えます。

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マイナンバーカードは個人情報の宝庫であり、犯罪の標的となりやすい

マイナンバーカード本体を紛失あるいは盗まれ、ICチップを読み取られても、実はそれほど情報漏洩のリスクは高くありません。カード表面・裏面に記載されている情報を除き、プライバシー性の高い情報はICチップには入っていないためです。
 
しかし、マイナンバーカード本体と4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書暗証番号)があれば、マイナポータルにログインすることができ、健康・医療、税・所得・口座情報といった情報が取得できます。
 
そのため、4桁の暗証番号は犯罪の標的となる、という指摘さえあります。また、マイナ保険証(マイナンバーカードに健康保険証情報を登録したもの)への移行が進んでいる今、新たな問題点も報告されています。
 
例えば高齢者利用施設では、これまでは入居者の健康保険証を施設が預かることはよくありましたが、マイナ保険証には多くの個人情報が含まれており、先述の通り暗証番号と合わせれば誰でもアクセスできるというリスクから、「入居者のマイナ保険証を預かるのは難しい」という不安の声が上がっています。
 

マイナ保険証の本格化でさまざまな詐欺の手口が生まれている

マイナ保険証利用の本格化に伴い、さまざまな手口で不安をあおり、個人情報を聞き出したり、ATM操作に誘導して金銭をだまし取ったりする犯罪も想定され、厚生労働省、警察、自治体などから注意喚起されています(図表1参照)。
 
図表1

岐阜県警察 特殊詐欺の防犯情報
 
例えば、電話口で厚生労働省の職員を名乗り、言葉巧みに個人情報を聞き出そうとする事案などが多数発生しています。具体的には以下のような切り口で、個人情報を聞き出そうとする事例が報告されています。