iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金はこれまで、確定拠出年金(DC)など企業年金に入っている会社員は、毎月12,000円まででしたが、12月から月20,000円に引き上げられ、より老後の備えがしっかりできるようになりました。iDeCoは証券会社によっては、ポイントも貯められるので、dポイントが貯まる証券会社もあわせてチェックしておきましょう。
拠出限度額が増えることで節税効果も年間約20,000円アップ
掛け金を増やすことでどれくらいの利益増が期待できるかというと、たとえば、30歳から60歳まで毎月20,000円を積み立てれば積立総額は720万円となり、12,000円の時と比べて、受け取り時の総額は288万円増えます。
なお、月20,000円まで増やせるかどうかはケースによります。というのも、企業年金などとの拠出額合計が月額55,000円以下と決められているからです(会社員以外の拠出限度額は変わりなく、自営業者は月68,000円、主婦(夫)は23,000円が上限のまま)。
また、12月からは拠出限度額のアップだけでなく、iDeCoに入る際に必要だった事業主証明書が不要になりました。勤務先を通さなくてもよく、会社員でも加入しやすくなりました。
拠出額が増えることのメリットには利益のアップだけでなく、節税効果も大きくなることがあります。
たとえば、年収500万円の会社員が月12,000円を拠出すると、年間の節税効果は約28,000円ですが、20,000円なら年間約48,500円の節税効果となります。
iDeCoの掛け金が税金の計算のもとになる収入から差し引かれることで、課税の対象となる金額が減るためです。これにより、実質的な手取りが約20,000円増えることになります。
掛け金を増やすことによる注意点は?
このように老後の資産形成や節税というメリットはありますが、一方で注意点もあります。
まず、拠出するお金が年間96,000円増えということは、自由に使えるお金もその分、減るということです。毎月の手取りが少なくなるので、家計とのバランスを考えましょう。将来のためだからといって、今の生活があまりに苦しくなるのも考えものです。
iDeCoは60歳まで引き出せないので、長い期間使わないお金から拠出するのが原則です。
また、2025年に税制が変わり、将来の手取りが減る可能性があると日本経済新聞などで報じられています。iDeCoは、60歳以降になって受け取る時に税金の優遇がありますが、将来、その優遇が減らされるかもしれません。