神戸弁といえば、兵庫県南東部を中心に使われる方言です。関西地方は全て関西弁という方言の中に京都弁、大阪弁、播州弁など様々な方言が存在します。今回は神戸を中心に日常会話で使われる定番の方言を中心に意味や用例をまとめました。
【神戸の方言】神戸弁の種類と特徴
神戸弁といえば、神戸市だけでなくその周辺を含む兵庫県南東部でよく使われる方言です。近畿地方以外の人からみると、関西地方は全て関西弁という一つの方言を使っているように感じるかもしれませんが、実際は京都弁、大阪弁、播州弁など様々な方言が存在します。
その中でも今回は神戸弁の特徴や、日常会話で使われる定番の方言15選、特徴的な語尾5選、珍しい・面白い方言10選などを中心に意味や用例をまとめました。
神戸弁・播州弁・関西弁の違いは?
方言としてはまず近畿地方全体で使われている言葉として関西弁があります。よく関西出身のお笑い芸人が使っている言葉としておなじみの言葉です。その中の一つとして神戸弁というカテゴリーがあります。
播州弁は兵庫県でも特に南西部などでよく使われる言葉ですが、どちらかといえば関西弁と中国地方の方言がまじりあった方言で強めのなまりとなります。
神戸弁の特徴3つ
どことなく怖いといったイメージのある関西弁ですが、神戸弁は話し方のスピードとして少しゆったりと話すといった特徴があります。そのため、神戸以外で女性が使うと、どことなく上品に聞こえたり、少し甘えているようにも取れるため、合コンなどでも人気が高いです。また、「今、なにしとぉ」のように語尾を伸ばすといったなまりがあることも挙げられます。
あと、関西では京都、大阪、神戸と都市規模や立地などから言って対抗意識を持っていることも多いので、神戸弁を使っている人に「大阪弁でしょ」「京都弁でしょ」というと嫌な顔をされることがあります。
神戸弁で『あいさつ』や『ありがとう』を伝える時は?
挨拶としては「おはよう」=「おはようさん」や「こんにちは」=「こんちは」などがあります。それでもあまり親しくない間柄であったり、目上の人に対しては普通に「おはようございます」「こんにちは」ということも多いです。
感謝を伝える言葉として「おおきに」という人もいますが、どちらかといえば年配の方や冗談で使用する程度で若者などはあまり使いません。
【神戸弁】日常会話で使われる定番の方言15選
では、実際に神戸で使われている神戸弁の方言を見ていきましょう。
①ほんま
標準語でいうと「本当」「本気」の意味になります。
例文「ほんまに言うてんの?」
標準語「本当(本気)で言ってるの?」
②こーへん
標準語で「来ない」という意味になります。文脈によって打ち消しで使われるときと、来ることを誘うフレーズでで使われることもあります。
例文「今からうちこーへん?」
標準語「今から家に来ない?」
③ほかす
標準語で「捨てといて」の意味になります。関西以外ではあまり使われない言葉のひとつですので、他の地域から来た人だと戸惑ってしまうなまりの一つといえます。
例文「これほかしといて」
標準語「これ捨てておいて」
④きばる
標準語で「がんばる」という意味を持ちます。相手を応援するときになどよく使われます。きばるにイントネーションをこめるとより気持ちが入って聞こえます。
例文「今日は試験やからしっかりきばるんやで」
標準語「今日は試験だからしっかりがんばって」
⑤ばり
標準語で「とても」「すごく」という意味になります。ニュアンスとしては程度がとても大きい時に使います。
例文「このぬいぐるみばりかわいいやん」
標準語「このぬいぐるみとてもかわいいね」
⑥なんべん
標準語で「何回」「何度」という意味を持ちます。会話の中で使うことが多い方言です。
例文「なんべん言うたらわかるねん」
標準語「何回言ったらわかるの」
⑦しばく
標準語で「殴る」「蹴る」などの暴力的な行為のことの意味があります。関西以外の人が聞いたら怖い表現ですが、実際に行為に及ぶわけでなく怒ったことを意思表示するのに使われることが多いフレーズです。
例文「ちゃんとせんかったらしばくぞ」
標準語「きちんとしなかったら怒るよ」
⑧うち
標準語で「私」という意味になります。主に女性が使うことが多い方言ですが、イントネーションを変えると「自宅」「家」を意味することもあります。
例文「うちとしてはええと思うよ」
標準語「私は良いと思う」
⑨ちょー
標準語で「ちょっと」「ねえ」の意味になります。標準語でいう「超」を意味することもありますが神戸弁独自の意味合いもあります。
例文「ちょーちょー、待ってよ」
標準語「ねえねえ、待ってよ」
⑩ほなね
標準語で「それじゃ」「それじゃまたね」という意味を持ちます。友人との別れの挨拶などで使います。
例文「ほなね、また明日」
標準語「それじゃ、また明日」
⑪えらい
標準語で「大変」「しんどい」の意味を持ちます。どちらかといえばご年配の方が使うことが多いなまりです。
例文「草むしりなんてえらいね」
標準語「草むしりなんて大変ね」
⑫ちゃう
標準語で「違う」という意味です。時によっては「ちゃうちゃう」と二回繰り返して使うこともあります。
例文「ちゃうちゃう、何しとん」
標準語「違う違う、何してるの」
⑬どない
標準語で「どう?」の意味になります。相手に対して疑問を投げかける表現になりますが、文中でも使われるフレーズです。
例文「どないなってんの?」
標準語「どうなっているの?」
⑭へたれ
標準語で「根性なし」「臆病な様子」を指す言葉になります。こわもての人に使われると怖い表現です。
例文「おまえ、ほんまへたれやな」
標準語「おまえ、本当に根性なしだな」
⑮やってもた
標準語で「やってしまった」の意味になります。何かを失敗したときなどに使われる言葉です。
例文「またやってもたわ」
標準語「またやってしまったわ」
【神戸弁】特徴的な語尾5つ
次に神戸弁における語尾の特徴を見ていきましょう。他県の方が見ると新鮮に感じるものもありますよ。
①~とぉ
標準語で「だ」「である」という意味になります。自身の動作や相手に対する呼びかけに使われることも多いです。
例文「ご飯たべとぉ」
標準語「ご飯食べてる」
②~しとん
標準語で「だ」「である」という意味をもちます。だいたい「~しとぉ」と同じような意味合いで使われることが多いフレーズです。
例文「さっきから何しとん?」
標準語「さっきから何してるの?」
③~ねん
標準語で「~なのだ」「~だよ」の意味を持ちます。神戸弁では「~しとぉ」「~しとん」の後に組み合わせて使われることもあります。
例文「ゴミ集めしとぉねん」
標準語「ゴミ集めしてるよ」
④~ん
標準語で「~ない」という意味になります。動詞の語尾につけることによって打ち消しの意味になります。
例文「知らん言うたやん」
標準語「知らないっていったでしょ」
⑤~やん
標準語で「だ」「わ」「である」の意味になります。神戸、兵庫だけでなく関西で広く使われているなまりの一つです。
例文「お金足りへんやん」
標準語「お金足りないわ」