◆セミナージプシーの生きづらさ
そのセラピーは、潜在能力を開花させ、心を抑圧から開放することで、現実世界の問題を解決していくという、自己啓発のようなものであった。ところがだ。セラピーを学び、講師として活動している仲間たちが、次々とほかのスピリチュアルや自己啓発に手を出していくのだ。
「みんな一様に、“セミナージプシー”と呼ばれる状態でした。私たちが共に学んだセラピーは、自分のなかの問題を解決し、生きづらさが解決されるはずだったのに、結局まったく解決されていないってことでは……? 彼女たちの名刺にびっしり書きこまれているいくつもの長い肩書が、生きづらさそのものに見えてきました。結果として癒し業界内でお金を回し合っているのも、滑稽(こっけい)に感じられてしまって」
講師仲間が手を出していたという物件は、ざっと聞いただけでもこんなラインナップだ。
仮面心理学にストーンセラピー、子宮系女子と呼ばれる人たちの高額なセッション、霊視で性器が見えるというふれこみの鑑定賞(その名も「御まん託」)、数秘術、自称心理カウンセラーの有料会員サービス、メンタルコーチ、カラーヒーリング、アクセスバーズ、動物占いの亜種その他いろいろ。
※それぞれの詳細は省略させていただくが、ご興味ある方はぜひ検索を。
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