◆深愛は自らの意志を把握できるようになるのか

 深愛はハルキによって自立の芽を伸ばすことができるのだろうか。実際にはしっかりしているし、年相応の自立心があるのに、彼女自身が母に遠慮してその力を伸ばすことができずにいるだけなのだ。彼女はそれに気づくことができるのだろうか。

 そして深愛とつきあっている父親に激しい嫌悪感を抱いているハルキの行く末はどうなるのか。はたまたメンタルを病み、それを深愛に癒やしてもらっていた夏生の妻ふみこ(戸田菜穂)は、夫と息子と深愛の関係をいつ知ることになるのだろう。

 泥濘ならぬ泥沼の関係は、いよいよ大団円を迎えそうである。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio