◆セカンドオピニオンで知れることは?

「この子に今の学習環境は合っているのか」親たちは受験中、常にこうした心配を抱くことでしょう。困ったときは塾に相談したいところですが、相手もビジネスですから、そうじっくりとは寄り添ってもらえません。

「塾側に転塾の相談をすると、たいていの場合、営業トークに持ち込まれます。1か月様子を見ましょうと言われたり、追加コースを提案されたりすることはよくあります。塾側も転塾対策を持っており、辞めることのハードルは高いのが現実です。やはりその点はあくまでもビジネスであり、子どもファースト、家庭ファーストになっていないため、僕のところにはセカンドオピニオン的な相談も多く寄せられます」

 塾とは別の視点でアドバイスをしてくれる受験コンサルタントやアドバイザーなどの“セカンドオピニオン”を持っておくことは、有効なのかもしれません。

「塾は実績を少しでも高めたいので、今の子のレベルで行けそうな志望校を勧めます。でも、フリーランスである僕はお子さんの今の成績に加え、伸びしろを見て判断するので、違う視点の気づきが得られることが多いと言っていただきます。

過去に見た子の中では、6年生の11月の時点で塾と志望校選びで喧嘩した子がいました。塾としては、今のその子にあった学校を進めていたのですが、その子はもう少しレベルの高い学校を受験したかったんですね。

僕から見ると、4年生から5年生の学習内容などが身についておらず、その対策をすることで伸びしろがあると感じたので、可能性があるとお伝えしました。結局彼女は、僕の作ったプラン通りに学習を進めて受験に挑み、最終的に第一志望への合格を掴みました。塾のアドバイス通りにしていたら、受験すらできなかったと思います」

 悩んだ際は中立的かつ、長期的な目線でアドバイスをくれる、家庭教師や受験コンサルタントといった第三者に相談する手があることを覚えておくといいかも知れません。

 中学受験に限らず、教育においてすべての親に共通するのは「子どもに幸せになってもらいたい」という思い。親のスタンス次第では、それが誤った方向に進んでしまうこともありますが、「親が思う幸せの形」が、現れていることには変わらないでしょう。