◆「モテないからって女を軽視してる」という暴言

 結局、キヨシは昌和と交際することは思いとどまったらしく、サカエが安堵したが、急に市郎の家に昌和から電話がかかってくる。

 純子が最初に電話に出たが、サカエは受話器を奪い「自分がモテないからって女を軽視してる。女性蔑視、あなたそういうとこある昔から。ミソジニーの属性があるんです、昔から」「そういう男に限ってホモソーシャルとホモセクシャルを混同して、同性愛に救いを求めるの」と言い放つ。

 さらには「女にモテなくて男に走ってるの。あなた中二病なの、『自分がモテないのは女が悪い』っていう考えを捨てない限り、モテないし変われない」とまくし立てる。

 清々しいほどの人格否定に中学二年生が耐えられるわけもなく、昌和はサカエが喋っている最中に電話を切り「何だよ!中二病って」「春から中三だし」と不満を口にした。