◆まっすぐな感情の動きでピュアに演じられた
――ラブコメ漫画を原作とするいわゆる“きらきら映画”を久しぶりに楽しんだ気分です。『愛がなんだ』(2019年)の今泉力哉監督の演出力もあり、2020年代仕様の新鮮なラブコメ映画という感じでした。
前田:まっすぐな感情の動きでピュアに演じられた気がします。自分が演じてる楽しさを感じられました。小豆島ロケで、同世代のキャストが集まる。休憩時間やオフの時間にはみんなで団欒。フレームの外でも青春でしたね。
――島でのオフ時間は何か面白いことがありましたか?
前田:島をまわっていると、「これ、めっちゃおもろい!」と思ったことがあります。100円ショップに鮮魚が売っていたんです(笑)。
――え!?
前田:100均といってもなんでもあるんです。その中にパック詰めされた鮮魚が売っていて、スーパーと100均が合体したようなお店でした。どこにいても海が近い島ですから。東京ではありえないことですよね。
僕が演じた浜口は、根っからの島育ちです。浜口だけでなく同級生のほとんどが町から出ずに大人になっていきます。隣町もありません。大人になっても同じ顔見知りがずっといるこの雰囲気は、特別だなと思いました。