また、一時はサブスクを解禁しながら、その後停止したのが18年9月に引退した安室奈美恵だ。昨年11月、それまで配信されていた楽曲が予告なく削除され、ファンを騒然とさせたのは記憶に新しいところ。その理由は「契約見直しや重複している楽曲を整理するため」とも伝えられたが、現在までその状況は変わっていない。

 そのほか、甲本ヒロトと真島昌利が参加していたTHE BLUE HEARTS、ザ・ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズや、マキシマムザホルモンなど解禁に踏み切っていないアーティストも決して少なくない。

 ユーザーの利便性は確実に向上したものの、アーティスト側の収益構造にも大きな影響をもたらしているサブスクサービスの普及問題。その両方が満足できる形が成立するには、まだまだ時間がかかりそうだ。