──全部、『電エース』で何か作ってほしいと、みんながお金を持ってきたということですか?

河崎実 そう。そのあと、10年前からはクラウドファンディングも始めて。平均して150万くらい集まるんですよ。それで撮れちゃう。撮影2日だから。

──編集もお金がかからなくなりましたもんね。

河崎実 人件費はかかるけど、昔はさ、リニア編集のときは編集室を借りてやんなきゃいけないじゃない。その金が1日何十万もかかったけど、それがタダだもんねえ。MA(音入れ)もタダ。

──機材の進化って、映画監督にとっては毎年いい環境に更新されていく感じですか?

河崎実 そうなんだけど、映画ができすぎててさ、もうなかなか配給してくれなくなってるの。劇場が埋まっちゃって。だって、どんなやつでも映画が撮れちゃって、そのまま上映できちゃうんだから。