──第1作が制作された1989年当時、『電エース』という作品はどんな状況の中で生まれたのでしょうか?

河崎実 レンタルビデオ全盛の時代だよね。TSUTAYA、GEOなんかがものすごい伸びていくとき。ビデオソフトが最終メディアだったから、景気が良くてね。俺が『地球防衛少女イコちゃん』ってのを作ってたから、その流れだったよね。バンダイが毎月1回「ビデオマガジン」を出してて、その穴埋めにね、なんでもいいから作ってくださいって言われたの。1本30万円で。

──30万? 何分の作品ですか?

河崎実 2分。尺も任せるって言われて、30万円でできれば10分だろうが何分だろうが。でも、できるわけないよね、10分なんて。だからもう凝縮して2分。それを撮ったのが最初の『電エース』なんですよ。