◆役者という職業の意味を教えてもらったシリーズ

『おいしい給食 Road to イカメシ』
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――まずこのシリーズがシーズン3、そして今回の映画第3弾までたどり着いたことへの想いを聞かせてください。

市原:今でも夢の中にいるような感じです。原作がないところから始まり、演じている甘利田幸男という教師も、最初はつかみどころがなかったんです。衣装合わせを何度も行い、シーズン1から使っている眼鏡も甘利田が激しく動くので修理しながらでしたが、そろそろ危なくなってきました(笑)。すべてを尽くさせていただける現場です。

――一度撮影現場を拝見したことがありますが、みなさんでアイディアを出しながら仕事をされていました。

市原:使えるところだけ撮ればよいのではなく、あくまで挑戦させていただける作品であってほしいと、最初に綾部(真弥)監督にお伝えしました。これは、シーズン3までずっと続いています。それが多くのお客様のご支持をいただけて、続編の熱望をいただけることは、役者冥利に尽きます。改めて役者という職業は、お客様に喜んでいただいて初めて成立するということを学ばせていただいたシリーズでもあります。

――まさしく俳優の原点に立ち返るような作品ですね。

市原:そうですね。キャリアを重ねるとニッチなほうに行きがちです。まだ25年ほどしか芝居をしていないのですが、改めて王道のエンターテイメントを学んでいる気がしています。誰が観ても楽しめて知識・教養もあり、1980年代のわび・さび、古き良きものがふんだんに込められているんです。根底はコメディーですが、社会派であり、核心を着いたメッセージであふれている。それがお客様に届けば幸いです。