◆ホラーというジャンルが持つ「自由さ」
作品全体に鬱屈とした空気が漂うからとか、お話が作りやすいというのもあるのかもしれないけれど、改めてふと不思議だな〜と。
逆に主人公がスーパーポジティブヒロインだったら、幽霊のイタズラひとつひとつを楽しんじゃって、もはやコメディみたいになっちゃって怖くなくなっちゃうのかもしれないですね。それはそれで面白そう。
部屋も薄暗くなく、主人公の人生も順風満帆。呪いも地下室もない。そして、人間の形をしたおばけすら出てこない得体の知れないホラー映画。
あ〜あったら見てみたいそんなホラー! 今作のような王道ホラーも大好きだし、そういう新感覚ホラーも大好き!
どこまでも自由なジャンルのホラーが、私はやっぱり大好きだなぁと思える一作でした。
●『サウンド・オブ・サイレンス』
配給/アルバトロス・フィルム ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国公開中 ©2022 T3 Directors SRL
【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。公開中の映画『笑いのカイブツ』に出演。松本も参加した「私が撮りたかった女優展vol.5」が今春開催予定