◆自分の「笑い」を理解できないヤツは「アホ」。だが強者になれなかった
このように、女性は“アホである”と公言する人物は性をどのように取り扱うのでしょうか? 身勝手かつ稚拙(ちせつ)な女性像を介した性と笑いがつながっているのだとすれば、松本人志の「笑い」とは何なのでしょうか?
自分以外は「アホ」、自分の「笑い」を理解できないヤツは「アホ」。そうした「笑い」の中に、誰にも譲れない個性や自我が存在すると感じているのだとしたら、そのプライドはポジティブな原動力たり得たのでしょうか?
そもそも、それは松本が考えるように、彼に勝利をもたらしたのでしょうか?
つまり、当時私達が圧倒的強者として見ていた松本人志とは、実はその逆で、完全なるルサンチマンに突き動かされていたのではないかと考えられるのですね。
本来、自分はもっと世の中に認められてしかるべきだ、という欲望を持ちつつも、それを正当な言動によっては成し遂げることができない、弱者のひがみと言ったら言い過ぎでしょうか。
しかし、松本人志には決定的な鬱屈が巣食っているように見えるのです。
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