◆大学のサークルに勧誘されたのが出会い
話しながら、ため息をついている。さすがにもう、自分の思いが届かないことはすでにわかっているのだろう。感情にまかせて一気に話したと思えば黙り込んでしまう。声の抑揚がとてもあったり、ほとんどなくなったりと、かなり感情が不安定に感じた。
それを伝えると、普段はそうならないように細心の注意をはらっているそうで、会社ではごく普通のアラサー女子として、仕事仲間ともうまくいっているそうだ。だけど、どうしようもない元カレへの気持ち……出会いは、よくある学生のほほえましい恋のように思えた。
「優斗と出会ったのは、大学に入学してすぐのことでした。いろんなサークルが学内で新入生を勧誘していて、優斗から声をかけられたんです。彼は1歳年上の英会話サークルの人でした。特に英語が好きなわけでもなかったんですけれどね。
優斗はイケメンでソフトな印象だったし、なんせ大学にまだ知り合いが全然いないから、どこかのグループに入りたかった。部室に行ってみたらすごく和気あいあいとしていて、ここならみんなと仲良くなれそうと思い、入部したんです。サークルの一度目の飲み会で隣りだった優斗から“好みなんだよね”って耳元で囁かれて……彼をすごく意識するようになりました。」