◆初めて直視する、術後の自分
いざ脱衣所に入り、服を脱ごうとしたときに、そういえばまだ自分の傷を直視していなかったことに気づきました。病室にもシャワー室にも大きな鏡がなかったので、洗面台の大きな鏡に自分の乳なし姿が映ると思うと恐怖……。
息子はまだ小学3年生。おっぱいを切ると伝えたものの、リアルに見たら驚くかもしれません。服を脱ぐ前、息子に「右のおっぱいを取って手術の傷があるから、見るの怖かったら一緒に入らなくてもいいよ」と伝えました。
ついでにわたしも見るのが怖いと伝えると、息子は「じゃあ、せーので一緒に見る!」と興味津々。
自分も恐る恐る、ゆっくりと服を脱いでみると、まだ生々しくて痛々しい傷がバッチリ見えました。直視するのに勇気が必要でしたが、これから毎日この傷が目に入るのだから慣れないと、としっかり見てみました。
それと同時に息子にも「どう? 大丈夫そう? 手術した先生が言うのは、傷はキレイに治っているらしいけど、わたしにはそうは見えないなぁ……」と聞いてみると、しげしげと傷を眺めて「でもつながっているから大丈夫じゃない?」とアッサリ。
性格によっては、お母さんの胸がなくなり、ショックで泣いてしまう子もいるとか。うちの息子は昔から爬虫類や昆虫が好きで、捕食シーンなどちょっとグロテスクなシーンも喜んで見ていたので、大丈夫ではないかと予想はしていました。片方胸がなくなったことについては「もう1個あるからいいじゃん」とあっけらかん。息子は普段、マイペースでボーっとしていますが、こういうときは頼もしいなと思います。
傷があるのでこわごわですが、久しぶりに浸かったお風呂は暖かくて極楽。家でゆっくり眠るのも久しぶりです。息子と横になっておしゃべりしながら眠りにつきました。