◆「東京が嫌で離れた」都心を離れた2人の生活
――ひろゆきさんも東さんも日本の都心を離れて暮らされているかと思うんですが、そのような暮らしをしてからこそ気づいた、お2人が本当に求める理想の生活の生き方があれば教えて欲しいです。
ひろゆき:でも本当に、もっと多くの人に会わない方が生活が楽だよってことですね。東京に来てるときはいろんな人と会っていて、ずっと楽しいんですよ。飲み会をやって、面白い人と話をして、ずっと楽しいんですけど、何か気がつくと時間が経っていて…。何もせずに時間だけ経っているのに、やたらとお酒だけは飲んでいるので、ゆっくりした方が楽しさや幸せを感じる時間は多いのかなと思いますね。
東出:南米旅中に話しましたよね。ひろゆきさんが「東出さんと僕は似てるかもしれないです」っていう話から、「2人とも東京が嫌で離れたんですね」って話になったんです。おっしゃる通り、僕もやっぱり田舎にいて、人と会わないとか、1人で考える時間があると、幸せを噛み締めることももちろんだし、幸せってなんだろう?とか、人生って何だろう?とか、いろいろ考えられる。東京にいると情報も物流も忙しないので、食べることには困らないけど何か焦燥感というか、ちょっと味気なさを感じたりして、咀嚼して味わってる時間がなかなかなかったりする。だから僕らは、どこか東京という街が肌に合わず、離れたのかなって話は、旅中にしましたね。
ひろゆき:気がつくと日が経ってますよね。一時間後にここに行って、あれやってこれやって、誰かと話して移動して…ってしているとスケジュールに動かされ続けている気がします。
――確かに。ちなみにお二人は今後も今の場所に住み続けられるのでしょうか。
ひろゆき:フランスにずっといるって決めてるわけでもないので、何か他に面白いところがあったら行くかもしれません。けど、現状はとりあえずまだフランスにいますね。
東出:僕も当分は今のところにいます。鶏を育てたいとか養蜂をやりたいとか、その土地に根づかないとできないこともあるので、もう都市部に戻ることはないけれども、結構天候に左右される生活を送ってるので、それと同じように、天災に左右されたらまた住むところが変わるのかもしれません。ずっと一緒っていう約束はできないけど、当分はそこだろうなとは思います。
――ということは、お2人は東京を離れることを決めた時に、迷いなどはなかった感じでしょうか。
ひろゆき:元々僕が東京を離れたのはアメリカに留学したいって思ったからなんですよね。「東京ってこんなもんだよね」というのは20年ぐらい仕事で住んでわかっていて、大体もうわかってるから面白みがなかった。元々海外旅行をちょこちょこしていたので、それだったらもうずっと海外行った方が面白いじゃんって思ったんです。
東出:僕は家庭環境的にも、ありがたいことに若いうちにいろいろ旅をさせてもらえたんです。色んな国の色んな人種の人たちや、生活様式を見ていると、「東京で生まれて、ずっと東京にしか住んじゃいけないなんて縛りはないんだ」「人ってかなり移動するし、色んなところでどんなところでも生きていけるんだ」という根底みたいなものが若いときに、もしかしたら基盤として作られたのかもしれないですね。
――なるほど。その価値観が今でも大きいのかもしれませんね。
東出:でもそれって裏を返せば根無草になりかねないんですよね。移民とまでは言わないけど、割と世間一般の多くの人たちよりは、僕はどっちかっていうと割と根無草タイプかなと思います。
ひろゆき:根無草になりかねないって、根無草ではないと思ってらっしゃる…?
東出:おっと、なるほど?僕が根無草だと言いたい…?(笑)。でも、そうですね。役者って仕事が、同じオフィスに通うとか、定時出社とかないので、まぁ社会不適合者ですわ。
ひろゆき:組織に所属して、必ずこの人たちと一緒に何かするってことがないじゃないですか。たまたまそのプロジェクト的な意味で、作品で一緒になることはあるけれど、終わったら解散っていうのは、「一緒に狩りに行こうぜ、終わったら解散」っていう狩猟民族とかと同じだから根っこはないと思いますね。
東出:根っこないです!(笑)