スマホでアダルトサイトを閲覧していると、突然画面に「登録完了」という文字が出て10万円を請求されてしまった……という知人がいます。

明らかなワンクリック詐欺ですが、見ていたサイトがサイトだけに、恥ずかしくて誰にも相談できないと知人は頭を抱えていました。このようなトラブルに遭遇した場合、いったいどうすればよいのでしょうか?

ワンクリック詐欺とは?よくある事例も紹介

ワンクリック詐欺とは、メールやインターネットサイトに表示されているURLを一度クリックしただけで一方的に入会などの契約成立が宣言されてしまい、高額な料金の支払いを求められる詐欺のことです。

例えば、以下のような事例があります。

・サイト上のコンテンツをダウンロードして「年齢確認」のボタンをクリックしたら料金請求画面が表示された。
・アプリをダウンロードして会員登録などの手続きを行った後、アプリを起動したら高額料金を請求された。

画面上には料金の請求とプロバイダや端末情報など、自分自身の情報も表示されるので、恐怖を感じて支払ってしまう……というケースも少なくありません。

ワンクリック詐欺に遭ったらどう対処したらいい?

ワンクリック詐欺に遭遇してしまったとしても、慌てずに無視しましょう。

民法第95条(改正民法)には「意思表示は、(中略)錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる」とあります。

これは、相手からの一方的な請求、また勘違いによる契約は取り消し対象になることがある、という意味です。また、そもそも契約というものは申し込みの意思表示がなければ成立しません。したがって、ワンクリック詐欺の多くではそもそも契約自体が成立しておらず、高額料金を請求されたとしても、支払い義務は発生しないということになります。しつこい請求や脅し文句も無視しておきましょう。メールが来た場合にも返信してはいけません。

請求画面にIPアドレスやプロバイダ情報が表示されたとしても、個人情報が漏洩したわけではないので安心してください。端末情報やIPアドレスだけで住所や氏名、電話番号といった個人情報を特定することはできません。不安だからとメールに返信したり、相手に問い合わせたりしてしまうと、そこから個人情報が知られてしまいます。最善の対処方法は「無視」だということを覚えておいてください。

何度戻るボタンをタップしても請求画面が消えない場合は、アプリやブラウザを閉じて閲覧履歴(キャッシュ)を削除するとよいでしょう。

ワンクリック詐欺の注意点!無視してはいけないケースとは

ワンクリック詐欺の基本的な対処法は「無視」ですが、なかには例外もあります。それは、個人情報が抜き取られてしまっている場合です。

例えば、アダルトサイトなどの「無料登録で見放題」といったリンクをクリックして、住所や電話番号などの個人情報を入力してしまった場合に、後日封書や電話で高額請求の案内が来ることがあります。

また、「ワンクリックウェア」に引っかかってしまった場合も注意が必要です。ワンクリックウェアとは動画のダウンロードなどを介してデバイスに侵入するウイルスのようなものです。いくら画面を閉じても何度も何度もブラウザが立ち上がって、そのたびに請求画面が表示されます。こうなると、まともにスマホやパソコンが使用できなくなってしまうので、根負けしてお金を払ってしまう人も少なくありません。

また、メールアドレスや電話番号などの個人情報を抜き取られてしまうケースもあるので注意が必要です。