■「個人からチームへ」の功罪

 原作ではハルカンのワンマン組織だった「SDM」に、各担当者が加入してチームとなったのが、今回のドラマの大きな改変点でした。

 それがよかったか悪かったかでいえば、両方あったと思うんです。特に、チーム内に死者を出すことで展開を作るという作業をクール後半に持ってきたことで、本来の哲学がめちゃくちゃブレた部分はありました。

 一方で、医療班の夏帆や警察班の橋本じゅんがSDMに加入し、力を発揮していくプロセスはすごくよくできていて、最初は「この人、SDMにとって邪魔になるんじゃない? 有害になるんじゃない?」というイメージで登場させておいて、その性根を描くことで戦力になっていく様子は感動的でした。

 そして最後には、めちゃくちゃ険悪な出会いだったハルカンと雲田が、いい感じに収まっていく。

 総じて、『ブルーモーメント』は勝ったと思います。6話から9話にかけてはあんまり乗れなくて文句もたくさん書いたけど、最終的には勝ったと思う。おつかれおつかれ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)