■アイディアとして驚かせてくれた

 風速70メートル毎秒というすんごい突風にあおられて、吹き飛ばされてしまったSDMの指揮車両。その中には、一般のお子さん2人とハルカンの助手・雲田(出口夏希)が閉じ込められています。

 横転した車両の上には、一部が崩壊したビルのガレキ。救助は一刻を争いますが、そもそも現場に近づくことすらできないSDMチーム。ここで天才ハルカンの天才頭脳が弾き出した作戦は、「台風の目の中をヘリで飛ぶ」というものでした。

 いいなぁ、と思ったんです。いいアイディアだなぁと。

 もちろん、それが雲田たちを助けるために最善のアイディアだと思ったわけではありません。筆者は気象学の天才ではありませんし、現場の気象状況について分析したわけでもない。ただ、「台風の目の中をヘリで飛ぶ」って、ステキなアイディアだと思ったんです。

 思い出したのは映画『インターステラー』(14)で、宇宙空間の中を高速で回転しながら浮遊している母船にドッキングしたい主人公・クーパーが、「回転を合わせろ」と言ったシーンです。自分が乗っている着陸船を母船とドッキングさせるために、コントロールを失って暴走する母船に「回転を合わせる」。なんてステキなアイディアなんだと感心した覚えがあるんです。