お財布の中に入っている小銭。基本的には額面通りですが、モノによっては予想外の値段で売れるかもしれません。最近は電子マネーしか使わないという方も、お財布の中を覗いてみてはいかがでしょうか。

1円玉:製造枚数の少ない年は高値が付く

まずは1円玉。財布がかさばるので早く使いたいという方も多いでしょう。しかし、1円玉は3,000円の高値がつくモノもあるようです。

高値が付くのは古いものではなく、平成23年~25年、平成28年~31年、そして令和元年の1円玉です。

下記は造幣局の資料から抜粋した年別の1円玉の製造枚数。平成23年ごろから、一気に減少したことが見て取れるでしょう。

キャッシュレスの普及に伴い1円玉の使用頻度が減ったことにより製造枚数も激減したのです。

年別 1円玉の製造枚数
平成元年 2,366,970
平成10年 452,612
平成15年 117,406
平成20年 134,811
平成22年 7,905
平成23年 456
平成24年 659
平成25年 554
出典:独立行政法人造幣局

5円玉:やはり製造枚数の少ないものは高値に

5円玉に高値が付くのはやはり製造枚数の少ない年で、平成22年~25年のものです。5円玉は平成22年からの4年間製造枚数が激減しました。1円玉同様に、キャッシュレスの普及により流通量が減ったためと考えられます。

50円玉:昭和62年を境に製造枚数が減少

50円玉は昭和62年を境に製造枚数が減少していきます。この年の発行枚数は77万5,000枚。昭和49年が4億7,000万枚だったことを考えると、いかに少ないかわかるでしょう。また、昭和64年は製造されず、他の硬貨同様、平成22~25年には製造枚数がガクンと落ちています。

10円玉:昭和61年後期の10円玉は2万円?

年別 10円玉の製造枚数
平成元年 666,308
平成10年 410,612
平成15年 551,406
平成20年 362,811
平成22年 328,905
平成23年 255,936
平成24年 279,211
平成25年 100,892
出典:独立行政法人造幣局

1円、5円、50円と平成22~25年の4年間は大きく製造枚数が減少していますが、10円玉はこの4年間も大きな減少はみられませんでした。

10円玉で高値が付くのは昭和61年後期のもの。素人目にはわかりにくいのですが、平等院鳳凰堂のデザインが微妙に異なります。62年のデザインのものが手違いで製造されてしまったとか。買取店によっては2万円の高値が付くケースもあるようです。

また、ギザ10と言われる側面がギザギザになっている10円玉も高値で売れます。このギザ10は昭和26年~昭和33年までの期間に製造されたものです。ただ、高値が付くのは状態の良いもので、普通に使われていたもので高値になるかというと難しいかもしれません。

100円玉:あまり高く売れない

100円玉が高値になるのは昭和39年と発行枚数が少ない平成13年でした。ただし、かろうじて200円程度の値が付くといったものです。

一番使い勝手の良い硬貨だけに、製造枚数も多く価値が付きにくいのでしょう。

高値が付くのは保存状態がよいもの

いずれにしても高値が付くのは保存状態の良いものになります。上記に該当する年代の効果を見つけても保存状態により高値が付くかどうかは微妙かもしれません。

もし、上記の年代の硬貨で状態の良いものを見つけたら、柔らかい布で汚れを落とし、湿気のない場所で、できればコインケースなどに入れて保存しましょう。

文・しらいはるか(フード&マネーライター)