『M-1』の決勝進出者は、準決勝の一発の出来で決めることになっている。だが、決勝でファイナルステージまで勝ち進めば、年末の生放送で2本のネタを披露することになる。

 1本だけ異常に強い漫才師を決勝に上げてしまった場合、番組のクライマックスである2本目で大スベリしてしまうかもしれない。審査員は放送作家やテレビ朝日、ABCテレビの局員たちだ。番組を成功させるために、やはり2本目のクオリティも含めて、安心して送り出せる漫才師を選びたくなるところだろう。『キングオブコント』(TBS系)はこの「2本目でコケる問題」を嫌い、準決勝でも2本のネタを披露させている。

 野田の仮説をもとに、今年決勝進出を決めている9組を眺めてみる。初出場はヤーレンズ、ダンビラムーチョ、くらげ、令和ロマン、マユリカの5組。

 このうちマユリカは3年連続4度目、令和ロマンは2年連続3度目の準決勝から決勝に上がっており、そのほかダンビラムーチョとヤーレンズが昨年の準決勝に顔を出している。くらげは19年以来、4年ぶり2度目の準決勝だった。