◆30歳を過ぎて独身だと帰りづらい片田舎の雰囲気

 R子さん(33歳)の実家は、ギリギリ関東地方ではあるものの決して都会とは言えない片田舎にあるのだそう。その地域は三十路を越えて独身だと、何となく近所からも後ろ指をさされヒソヒソされることも多い土地柄。

 現在、独身でWEBデザイナーとして忙しい日々を送るR子さんは、実家に帰ることが本当に憂鬱でならないとか。

「妹が先に結婚したこともあって、家族の中でも非常に肩身がせまいんですよ。外に出れば出たで『ご結婚はまだなの?』なんてご近所さんに露骨に聞かれるし。

 なので、20代の頃はお盆と正月の2回は帰っていましたけど、今じゃ正月にすら帰らない年もあるくらいです」

おせち
 それでも、まったくの没交渉というわけにもいかず、R子さんは去年の正月は帰省し、決して居心地が良いとはいえない中で過ごしていたそうです。

「家の中にずっと居ても親戚の子どもたちにお年玉をゆすられるばかりで良いことないんで、初もうでに行くことにしました。向かったのは地元の神社で、中学生の時はよく浴衣を着てお祭りデートなんてカワイイことをやっていた、思い出の場所です」

 時が経っても変わることなく、静かに清らかに佇む神社に、R子さんは安らぎを覚えたといいます。しかし、お参りをして帰ろうとしたその時、その静寂を破る大きな声と下品な笑い声が神社の境内にこだましました。