契約社員のような非正規雇用の社員は、何かあれば雇用が打ち切られてしまうのではと不安に思う人も多いでしょう。そんな契約打ち切りの不安を軽減させるために設けられた制度が、いわゆる「契約社員の5年ルール」。今回は、この5年ルールについて詳しく解説します。

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契約社員の5年ルールとは

(写真=kittirat roekburi/Shutterstock.com)

2013年の労働契約法改正により、「無期雇用転換制度」が誕生しました。これは、契約社員が契約を更新し続け、通算5年以上雇用されると、会社に「契約期間の定めのない契約(無期雇用)にしてください」と申し込むことができる制度です。通称「無期転換ルール」「5年ルール」などとも呼ばれます。

申し込みは口頭でもできますが、できれば、書面の方がよいでしょう。現在、締結している有期労働契約の満了日までに申し込みをしたときには、会社は承諾したとみなされます。

無期雇用転換の対象・条件

2013年4月1日以降に開始する有期雇用契約から、通算5年以上雇用された場合、無期雇用転換の申し込みが可能です。それ以前の期間はカウントされません。また、パートやアルバイトも対象となります。

無期雇用転換のパターン

無期雇用転換後の雇用形態は、次の3つのパターンがあります。

「無期契約社員」 :契約期間の定めはなくなるが、職務・勤務地・賃金・労働条件などは直前の労働条件と同じ。会社によっては待遇が良くなるケースも。

「限定正社員」 :転勤がない「エリア限定」や、職務範囲などを限定した正社員雇用。会社によって条件はさまざま。

「正社員」 :正社員と同じ条件での雇用。

どのような雇用形態になるかは、会社によって異なります。

5年ルールでよくある勘違い

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

世間でも話題になっている5年ルールですが、契約社員の人は正しく理解していないと後々大変なことになるかもしれません。ここではよくある勘違いをまとめました。

契約社員として5年働けば正社員になれる?

5年ルールと聞くと、「5年働けば正社員になれる」と思う人もいるかもしれません。しかし、上記のとおり、無期雇用転換後にどのような形態で雇用されるのかは会社によって変わります。

無期雇用転換したら給料があがる?

無期雇用転換は、契約社員の雇い止めの不安をなくすことが大きな目的です。無期雇用転換したら雇用期間の定めはなくなりますが、給料などの待遇改善があるかどうかは、会社の方針や本人の実績などによるでしょう。

無期雇用転換したら転勤の可能性がある?

転勤がある会社で無期雇用転換により正社員となった場合は、今後は転勤の可能性があります。もし転勤をしたくない場合は、人事担当者に限定正社員にしてもらえないか、相談するとよいでしょう。

契約社員で5年働いたら自動的に無期雇用転換になる?

契約期間を無期化したい場合は、本人からの申し込みが必要です。ただし、必ず申し込みをしないといけないわけではなく、このルールを使うかどうかは自分で決められます。

休業期間があったら対象にならない?

休業期間がある場合、通算にカウントされるかどうかは、休業期間と有期契約雇用期間がそれぞれどのぐらいかによって変わります。

例えば、1年間契約社員として働き、一度退職してから1年後、また同じ会社と再契約して4年働いた人で考えてみましょう。通算5年だから無期雇用転換できると思いがちですが、実は、空白期間の前の1年は通算契約期間に含まれません。これを「クーリング」といい、以前の契約期間が通算対象から除外されます。

ところが、同じ人でも休業期間が6ヵ月未満のときは、通算でカウントができるのです。

このように、クーリング制度が適応されるかどうかは、空白期間とその前の有期契約期間によって細かく設定されています。休業していた期間がある人は、人事担当者などに自分は対象になるかを確認しておくとよいでしょう。

雇い止めに注意

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契約社員の5年ルールは企業にとっても負担となります。そのため、中には有期雇用契約が5年を超えないように、契約更新せずに打ち切る「雇い止め」を行う企業もあるでしょう。

契約社員の方は、今まで以上にシビアに評価されていくかもしれません。

心配される2018年問題

(写真=LI CHAOSHU/Shutterstock.com)

無期雇用転換制度が制定されたのは、2013年の労働契約法の改正時。2013年4月以降に契約した労働契約から適用になったため、5年後の2018年4月からこの制度が使えるようになります。どれだけたくさんの契約社員が無期雇用転換を申し込むのかと、さまざまな会社が2018年に備えて対策を練り始めたのです。

そして、2015年の労働者派遣法改正により、派遣社員が同一の組織単位で働けるのが3年までとなりました。こちらの期限は2018年9月末。ふたつの法律改正の影響が出るのが、ちょうど2018年に重なるということから、「2018年問題」と大きく取り上げられることとなりました。

2018年は、期間の定めのある社員を「無期雇用」にするか、派遣社員を「直接雇用」にするのか、企業に決断が迫られる年なのです。

自分のキャリアを見直すチャンス

契約社員の中には、無期雇用転換をして今後も継続して同じ職場で働いていくのか、キャリアチェンジを考えるのか、悩む人もいるでしょう。

契約社員として同じ会社に長く勤めている人にとって、この法改正はこれから先のキャリアを見つめ直すよい機会になるかもしれませんね。

自分のライフスタイルや実現したい未来などをじっくり考え、納得のいく結論を出しましょう。

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文・當舎緑(ファイナンシャル・プランナー)

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