さらに、石破にとっては神風とまではいわないが、9月23日に行われた立憲民主党の代表選挙で古手の野田佳彦がなったことも、有利な材料であろう。
弁舌がうまく、突っ込みどころを心得ている古狸が相手では、小泉進次郎は役不足。国会でやり込められ、立ち往生してしまうのではないか。その点、石破なら丁々発止と戦える。そう考えて、石破に入れる国会議員もいるはずだ。
とまあ、新聞、テレビと同じように総裁選に踊らされて、誰が勝つかに終始し、真の政策論争などそっちのけになってしまった。
これは、メディアも有権者たちも私も、アイドルの人気投票を見るように、総裁選を眺めているからだろう。
誰が勝つかにしか興味が行かず、一人一人の政策などどっちでもいい。どうせ自民党という小さなコップの中の争いでしかないのだと、メディアも有権者たちも考えているからであろう。
このメディアにしてこの政治あり。誰がなっても同じ穴の狢。立憲民主党が息巻いても、所詮、負け犬の遠吠え。
かくして、総裁選がすんで日が暮れて、日本の黄昏はますます早まっていくことになる。
(文中敬称略)