だが、小泉進次郎が出馬するとすぐに、滝川クリステルの所属事務所が、

「今回の総裁選に対し、滝川が関与することはございません」

 というメッセージを発した。

 これを、夫を突き放したとみる向きもあるようだが、それはどうだろう? 滝川という女性、夫が総理になれば、自分はファーストレディになれる。スポットライトのあたることの好きな彼女が、それを望まないはずはないのではないか。

 だが、それができなかったとき、彼女は夫を未練なく捨て去るかもしれない。もしかすると、それが恐くて進次郎は必死なのではないか。そんな気もしてくる。

 政治アナリストの伊藤惇夫がいうように、

「現在、自民党を覆っているのは、裏金問題を批判する世の中の声です。したがって、何とか見栄えのする表紙に切り替えて、国民の目を逸らせようとしている。どの表紙が見栄えが良いのか、そこだけに注力すべく党全体が動いています」

 候補者全員が、裏金問題をどうするのか、疑惑の議員たちをどう処分するのかについては一切触れない。

 腐りきった自民党を変えるという覚悟を持った候補は誰一人いない。だがこれだけはいえる。見場がよくても頭の中は伽藍洞の人間だけは、総裁・総理にしてはいけない。
(文中敬称略)