◆ポーチは、案外とその人らしさが出てしまう
次に驚いたのは去年の出来事です。東海道線の上り電車に乗っている最中、目の前の席に座っている女性が、ふいにルイヴィトンのバッグから取り出したポーチに目がいきました。驚いたのは、そのポーチに描かれているイラストが「クレヨンしんちゃん」であったこと。
その女性は「クレヨンしんちゃん」のポーチからリップクリームを取り出して、無造作に唇に塗り始めました。
持っているポーチには、案外とその人らしさが出てしまうようです。
では、私はどんなポーチを持っているのだろうかと、自分のポーチを見直してみると、これが実に古いものばかりなのです。
ポーチというものはバッグほどには壊れがたく、一度買ったらかなりの期間長もちします。長もちすればするほどに、そこには感じたこと、考えたことなどの記憶が積み重なります。どうして買ったのか、あるいは作ったのか、どこへ持っていったのか、何を入れたのかなどなどです。