◆今回の敵役は、友達や恋人もいない30歳“弱者男性”

 まず『しん次元』の簡単なストーリーから。白い光と暗黒の光がしんのすけたちの暮らすかすかべ市に降下して、白い光はしんのすけに、暗黒の光は本作の敵役にあたる非理谷充(ひりやみつる/声:松坂桃李)に命中する。非理谷は30歳、非正規労働者、友達や恋人もいない“弱者男性”。唯一の心の拠り所だった推しているアイドルが突如の結婚報告をしたのを受け、失意のどん底にいた。

 そんな折、暗黒の力を手に入れた非理谷は、社会に対して仕返しをするべく、その能力を悪用する。後半では非理谷は自分自身の能力を制御できなくなってしまうが、野原一家の絆によって、非理谷だけでなく世界を救う、というもの。