◆ホテルの良さは「感覚的に見る」
――以前まろさんにお話を伺った際、「一人でホテルで過ごすときのイメージがわいた」「男性からも感想のメッセージをもらった」と、読者からの感想についてお話されていました。マキ先生の元には、どんな読者の声が届いていますか?
マキ:「一人でホテルに泊まってみたいけど、子どもがいるから難しい。だからこの漫画で追体験的に楽しめる」といった感想をみたことがありますね。あとはライブ配信をやったときに「(この漫画をきっかけに)ホテルに行きました」という方も。
――確かに、ひとりホテルステイを追体験できるのも、『おひとりさまホテル』の魅力ですね。出てくるホテルがどこも魅力的で、行ってみたくなります。
マキ:『おひとりさまホテル』には主要キャラが4人いて、それぞれ好きなホテルがあるんです。ラグジュアリーホテル、アートホテル、クラシックホテル、リーズナブルなライフスタイルホテルなど。1冊にワンチョイスずつホテルを盛り込むようにしています。
今後はメインの4人以外のサブキャラクターも増やしていくことで、紹介するホテルの幅を広げたいですね。昭和ラブホテルとかビジネスホテルとか。まだまだ素敵なホテルがたくさんあるので、いろいろなホテルを紹介していく展開にしていきたいです。『いつかティファニーで朝食を』のときも、サブキャラが朝食巡りをしていく展開にしたら好評なキャラがいたので、今作でもそんなキャラが生まれたらいいなと思っています。
――マキ先生はこれまでも、漫画を描かれるにあたってたくさんの取材を重ねてこられたと思います。ホテルを見るポイントってどんなところですか?
マキ:私は割と、感覚的に見るタイプかもしれません。直感的に「このホテル好きだな」「あんまり居心地良くないな」とか。
具体的に言うと、お手洗いが寝室に近すぎるとちょっとイヤ、どこにでもあるサービスは目新しさがない、アメニティが「どうぞご自由にお取りください」スタイルは微妙、とか……。独自の見る基準があるかもしれないですね。やっぱり、他ではあまり見ないサービスがあるホテルのほうが、漫画にも出しやすいですから。