◆「私たち、疲れてるよねー!」大きな声でアピール
「車内は結構混み合っていたのですが、女性の1人が人の波を掻き分けながら、私の座っている座席の前にきました。荷物の多い年配の方がきたと思って、私は女性に席をゆずろうとして立ち上がったんです」
すると女性は持っていた登山用のスティックを、亜子さんが譲った席に突き出したそう。
「私は席をゆずる気で立ったのですが、女性は他の誰かに席を奪われないようにと必死の様子でした。杖のような登山用のスティックは、まるで女性の長い手のように伸びてきて、本当に驚きました」
女性に席を譲った亜子さんは、女性の前で吊り革を持って立つことになったそう。
「座席に座った女性は、座れなかった連れの女性を気にしているようでした。自分だけ座れたのが申し訳ないという気持ちだったのでしょうかね。
その内、大きな声で周りにアピールし始めて。『言おうか? ね、言おうか? 私たち、疲れてるよねー! ねぇ、あなた腰、痛くない? 大丈夫? 次の駅で降りる人は誰だろうねー!』と。その声は車内に響き渡る声でしたね」
明らかに席をゆずって欲しいというアピールだったものの、目立ち過ぎる女性の言動に対して、周りの人はうつむいてしまい反応ができなかったようです。