HIVは性感染症として感染の多くは性行為により、感染経路のほとんどは粘膜感染によるが、「注射器・注射針の使い回し」「HIVが存在する血液の輸血」「医療現場・献血等での針刺し事故」などによる血液感染や、HIVに感染した女性が妊娠中や出産時の出血、母乳から赤ちゃんへ母子感染するケースもある。

 HIVは非常に弱いウイルスのため、感染直後には発熱、咽頭痛、咳、鼻水、倦怠感、下痢、吐気、食欲不振など風邪やインフルエンザと似たような症状が出る。ただ、感染者全員に症状が現れるわけではなく、無症状のケースもある。

 感染から2~4週間でこのような症状を発症するが、5年から10年の症状のない潜伏期間に入る。このため、HIV感染を発見するのは難しいが、エイズ発症前の早期発見で治療を行えば、感染者の平均余命は非感染者と同じ程度になると言われている。

 ところが、HIV感染を見つけるのが難しいため、エイズを発症して、初めてHIVに感染していたことがわかる「いきなりエイズ」のパターンも多い。今回、沖縄県で問題となっているのは、この「いきなりエイズ」だ。