田舎の祖母の家まで、子ども2人での電車旅

 みなさんは昔、子どもだけで旅行をしたことがありますか? そのときの感覚を覚えていますか? まるで冒険が始まるような、刺激的で不安と好奇心が入り混じったような気持ちになったのではないでしょうか。

小1の妹がトイレへ連れ込まれそうに!乗客もいる昼間の電車で、一体何が?
(画像=『女子SPA!』より引用)

「私が小学3年生、妹が1年生の頃の話です。その夏、妹と2人だけで長距離の電車旅に挑戦したんです。私の家もおばあちゃんの家も、同じ北関東。でも、電車で行こうとすると片道2時間半以上かかります。JRとローカル線乗り継いで2~3回乗り換えをする大冒険でした」

 田淵さんにとって、電車の旅は人生で初めて。ましてや、子どもだけで乗り換えをして、電車に乗るなんて。ホームまで送ってくれたお母さんと別れてから、終始緊張しまくりだったそうです。

「ちゃんと着くかな、乗り間違えてないかなと、ずっと頭上の路線図とにらめっこしていました。でも、ちょっと余裕が出てくると、妹に『どうしよう! おばあちゃんち乗り過ごしちゃった!』って脅かしてビックリさせたり。今思うとちょっと意地悪でしたね(笑)」

小1の妹がトイレへ連れ込まれそうに!乗客もいる昼間の電車で、一体何が?
(画像=『女子SPA!』より引用)

当時その路線の電車は、今では懐かしい、対面式のボックス席(4人席)。小さなリュックからジュースを出して大切に飲んだり、妹とアメを分け合ったり。どんなにささいなことでも、人生初の大冒険の中では一つ一つが新鮮で、大人になったような高揚感を感じたそうです。

「知らないおばあちゃんやお姉さんに『2人だけなの?』『すごいなあ』と褒められることもあって、とにかく嬉しくて誇らしくて、なにをしてもどんな景色を見ても、とにかく新鮮で楽しかったです」