「ルール違反なんで!」と突然部屋を出る魚住。屋上で直木を見つけると、「こんなとこで何やってんですか。すぐに戻って撤回してください! 『消えたい』って何なんですか。そばにいる人の気持ちも考えてあげてください。嘘でも一緒にいるって言ってあげてよ」と、やりきれない思いを直木にぶつける。だが、直木も魚住の気持ちに気づいていた。直木は「悠依のこと好きなんだろ」とストレートに訊ねる。とぼけようとする魚住だが、「(自分の気持ちに)気づいてるのにごまかすなよ!」と直木に言われると、「ごまかすのに必死なんだよ!」と、ついに魚住の秘めた思いが爆発。「もし仮にそうだとしても……複雑でしょ。鳥野直木のことだけをただひたすらに愛している彼女のことが、すごい素敵だって、思っちゃったんだよ。あなたのことを好きな彼女が、僕は好きなんだ」とついに認める。
「好きなんじゃん」と切なそうにほほ笑む直木だが、「でも俺は消える」と覆せない現実を突きつける。死は理不尽だが平等だという叶恵の言葉を、直木は否定できなかった。そして直木は、自分が消えることへの恐怖を明かしながら、「でも怖いからって悠依巻き込んで、しがみついて、あいつの人生までめちゃくちゃにするとか、ない。ありえない」「とにかく、悠依には笑っててほしい。それだけ」と複雑な胸中を正直に明かす。そんな直木の言葉に、「もしも……どうしても悠依さんに何か伝えたいことがあったら、僕の体、使って」と魚住は号泣し、「あなたたちは最高だ」と涙をぬぐいながら笑顔を見せるのだった。
第6話で視聴者の間で大きな反響があったのは、やはりこの直木と魚住が悠依をめぐって言い争ったシーンだろう。あわや2人がライバルとなるのかと思わせたところで、あまりにもピュアな魚住の号泣。「魚住さん、本当にいい人だ」「この2人の友情、ほんと胸熱」など、“三角関係”のはずがこの上なく心温まる展開に、直木同様、視聴者も胸を打たれたようだ。魚住のキャラクターが、そして松山ケンイチの演技力がなせる技だろう。
だが、そんな魚住は、直木に乗り移られたことで“命を削られ”ていた。直木の「思い残し」を解消するためには、やはり直木が魚住に乗り移って直接、想いを悠依に伝えることが必要だろう。しかし、それが魚住の命をも左右しかねないとなれば、3人はどのような決断をすることになるのだろうか。