町内に住む中小企業の社長は80代。

若い頃、海外へ着物を身にまとってひとり旅に出掛けていった話をうかがっていました。

横浜から船に乗り、3日ほどかけてロシアのナホトカに渡り、シベリア鉄道に乗って、ユーラシア大陸を横断していったらしい。

モスクワで、ロシア人から「何でもいいから日本製の物を売ってくれ」と言われ、

街角で鞄に入れていた物を次々と売っていきます。

壊れてしまった片方の柄が取れたサングラスも高く売れたらしい。

いいお金になり、3週間も滞在していたのだとか。

ここでロシア人の様々な考え方に触れたらしい。

彼の旅は、その後の仕事に活きたことはもちろんですが、

日々のニュースでも違った視点から見ることができるようになっていったようです。

それは今だに健在で、ロシアのウクライナ侵攻に関しても、

世界情勢や歴史に自分の旅の経験も交え、様々な観点から考察されていました。

旅の中で得た視点は、プライスレスな財産となって身につくのでしょう。

結局、彼は、ロシアの後、飛行機、鉄道、バス、時にはヒッチハイクも交えながら、北欧はノルウェーの端まで到達したそうです。<text:イシコ>

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