ツールをとことん活用するお勧めルート

姫路城の一番の見所は 大天守 ですが、それ以外にも見所はたくさん! 最初にもご紹介しましたが、姫路城は攻撃された時に、いかに防御するか、いかに敵を拡散させるか、いかに攻撃を仕掛けるか、という工夫がたくさんあります。その面白い構造や、小ネタになるようなポイントを、いくつかご紹介します。

いきなり現れる「三国掘」

最初の 菱の門 をくぐると、突如現れるのが 三国堀。この池は湧水でできているのですが、なぜこんなところに池が? そこには敵を誘い出す工夫があります。

攻め込んできた敵は、この大きな池を目の前に、右へ行くか左へ行くか、一瞬迷います。パッと見ると、右は石垣で行手を阻まれるような雰囲気。じゃあ比較的攻めやすそうな左へ行こう!

そうして左に行くと、狭間 から弓や銃がバンバン撃ち込まれ、武者隠し から現れた部隊にブスブス!っとやられるわけです。

観光ルートとしては、三国堀から右に行っても大天守に行けるのですが、見所は左へ行く方がたくさんあります。三国掘を前に見て、後ろにある上り坂へ向かいましょう。

解説もいっぱい!西の丸の「百間廊下」

西の丸 というエリアに入ると、広々とした芝生広場と、それをぐるっと囲むような建物があります。ここは、本多忠政 が拡張したエリアです。本多忠政とは、徳川家康の 徳川四天王の1人本田忠勝 の長男。徳川家康の孫、千姫 が妻です。

要塞の役目も果たした「百間廊下」

この西の丸をぐるっと囲む建物は、千姫に仕えた侍女たちの部屋があり、西の丸長局、通称 「百間廊下」と呼ばれています。その長さは、百間と言われるだけある長さ240m!

中に入れるので、靴を脱いで入ってみましょう。侍女たちがたくさん居たのであろう小部屋では、姫路城の様々な解説を見ることができます。先にご紹介した「姫路城トリビアン」の内容と、ほぼかぶっています。

この「百間廊下」は、要塞の役目も果たしていたのです。これだけ長く、高い長局で囲まれている城であれば、そう簡単に外から攻め入ることはできません。廊下には、あちこちに 狭間 もあります。

「百間廊下」の最後の見所は、化粧櫓 。さすが 千姫 が使っていた部屋、他の女中の部屋と比べてだいぶ豪華です。筆者が訪れた時は、当時の着物について展示されていました。

千姫の人生についても、詳細が展示されている部屋があるので、ぜひゆっくり見てみてください。また、「百間廊下」から垣間見える大天守の姿もまた美しいです。

史実とは関係ない「将軍坂」

百間廊下の次の見所は「将軍坂」と呼ばれる細い上り階段です。筆者が行ったときは、残念ながら右側が工事中で大天守が望めなかったのですが、ここから見上げる大天守が写真スポットの一つです。

「将軍坂」と呼ばれるようになった所以は、松平健が主演の「暴れん坊将軍」。ドラマの中で、江戸城の中の様子としてよくここが撮影に使われたため、自然とそう呼ばれるようになったんだとか。なので、史実と「将軍坂」とは関係がないわけですね。

大天守までの通路で敵を惑わせる造り

さらに登っていくと、だんだんと大天守が近くに見えるようになります。

と、同時に、通路も細く、とっても複雑になってきます。ここまで攻め入ってきた敵を、いかに一瞬躊躇させて時間を稼ぐか?! いかに攻撃を仕掛けるか?! そんなこだわりが伺えます。

いよいよ「大天守」

大天守は何階建てだと思いますか? 外観から見ると、5重に見える、すなわち5階建てに見えますよね。

でも実は、3階に見える屋根の上にある、小窓のような部分が一つの階。さらに4階に見える屋根の上に、同じように小窓のようなものがある部分にもう一つの階。要するに、全部で 7階 あるんです。

これも、実は敵を欺く造り。外から見て「5階まで行けば追い詰められる!」と思いきや、「あれ? まだ階があるぞ?! また階があるぞ?! どうなっているんだ!」 と。

それぞれの階には、その階の細かい解説があります。

もちろん、ARやオーディオガイドが活用できる箇所がたくさんあるので、お見逃しなく!

大天守の後も「お菊井戸」など見所いっぱい

大天守を出た後も、大天守の東側には「お菊井戸」や、「古墳の石棺が使われている石垣」など、見所はいっぱいあります。