第3位は北野監督唯一のシリーズもの『アウトレイジ 最終章』で15.9億円。同シリーズは、ヤクザ抗争を描く3部作で、1作目の『アウトレイジ』、2作目の『アウトレイジ ビヨンド』もそれぞれ7.5億円、14.5億円を記録した。見どころはインパクトのある暴力描写で、石橋蓮司演じる村瀬組組長が歯の治療中に襲撃され、口の中を治療用ドリルでひっかき回されるというシーン(1作目)は特に大きな反響を呼んだ。

 一方、最終興行収入が判明している中で最下位になったのが『ソナチネ』。沖縄の抗争に助っ人として送り込まれたヤクザが激しい戦いに巻き込まれていく姿を描くバイオレンスアクションだ。北野監督自身が「コケた」とよくネタにしているものの、同作は『カンヌ国際映画祭「ある視点」部門』に選出され、欧州では高い評価を受けた。

 果たして『首』は、北野作品ランキングの上位に食い込めるのか。第3位の前作『アウトレイジ 最終章』の初動は、動員25万人、興収3億5200万円だったことを考えると、トップ3入りは今後の伸び次第と考えられる。口コミが広がり、客足が伸びることを期待したい。