イマーム・アリーの霊廟ある寺院(Imam Ali Holy Shrine)

ナジャフのイマーム・アリー寺院は、正統カリフ時代の第四代カリフにして、シーア十二イマームの初代イマームであるアリーの墓標とあって、世界中から訪れる巡礼者は昼夜を問わず後を絶ちません。イスラム世界全体を見渡しても、サウジアラビアのメッカ、メディナに次いで巡礼者を集める大変に重要な聖地です。

サウジアラビアのメッカやメディナはイスラム教徒でないと街にさえ入域できませんが、イラクやイランのシーア聖地は異教徒もウェルカムです。ただし、女性はここでもチャドルの着用は必須です。男性も肌の見える安易な服装は避けた方がよいでしょう。女性のチャドルは第二チェックポイントで借用することができます。尚、聖地カルバラー同様に、寺院内とその外周だけでなく一般区域でも、地元の女性は必ずチャドルを着用しています。もし気になるようでしたら、事前にチャドルを購入しておくとよいです。

それでは、早速訪ねてみることにします。

参道は賑やか

寺院を中心に街は円状に広がります。外周半径500mにはチェックポイントがあり、軽めの荷物検査があります。そこをパスすると日本の大きな神社同様、参道(スーク)が広がります。お店が多く連なりとても賑やかです。

ボディチェックが厳重

そこを通過すると、第二チェックポイントです。ここでは持ち物チェックに加えボディチェックが男女別のブースで行われます。尚、ここから女性のチャドル着用は必須です。上述のように、持っていない方はここで借りることができますので着用します。

パスすると寺院の外廊へ入ることができます。

寺院内に入るには、ここで3回目のチェックがあります。大きな荷物やカメラ、靴を預けチェックポイントを抜けました。さあ、いよいよ寺院内へ。

ムスリムの皆様、入口のドアに口を付けて挨拶し入って行きます。

イスラム教シーアの最大聖地へ

先述のとおり、宗派関係なくすべてのイスラム教徒に共通の聖地はサウジのメッカ、メディナ、イスラエルのエルサレムですが、アリー・シーアにとってはそこに昨日のカルバラー、ここナジャフが加わります。ここは三大聖地と同じくらい重要な聖域です。

カルバラーもそうですが、ここも二重構造になっていて、寺院の中心部に更に建物があり、そこにイマーム・アリーの廟があり、ここは総本山的存在です。アリーの存在こそがイスラム教にのちのシーア、スンニという派閥を生む契機となります。アリーを信奉するシーア・ムスリムにとってナジャフは最も重要な聖地で、年間2千万人の巡礼者が訪れます。