オスマン帝国時代の歴史ある木造家屋が建ち並ぶオドゥンパザルは、エスキシェヒルで最も人気のある観光スポットです。オドゥンパザルの見どころや散策途中に食べてみたい名物料理などをご紹介します。
エスキシェヒルとは?
トルコ語で古い町を意味するエスキシェヒルは、トルコの北西部、首都アンカラの西250キロメートルに位置しています。エスキシェヒルの歴史は古く、フリギア人によって紀元前1000年につくられたのが町の始まりです。現在ではトルコの主要産業都市になるまでに発展し、トラックや家電製品、鉄道車両、農業機械などの製造が盛んです。また、トルコで初めて航空機器の供給管理センターが設立された都市でもあり、トルコ空軍の最初の司令部が置かれたことでも知られています。町には生粋のトルコ人のほか、クリミア・タタール、ブルガリア、ルーマニアから移民としてやってきたトルコ系の住民も多く暮らしています。
オドゥンパザルの見どころ:歴史ある木造家屋
そんなエスキシェヒルの最大の見どころは、オドゥンパザルです。市内の中心部、他の地区よりも標高が高い所に位置しています。エスキシェヒルに入植した人々は、町を流れる川の周辺に羊の肺と肝臓を吊るし、それらが腐敗せず最も長持ちした場所に居を構えることにしたところ、今のオドゥンパザル辺りに吊るしたものが最も持ちがよかったことから、この場所を町の最初の集落としました。村人たちが山から持ってきた木材(オドゥン)を市場(パザル)売っていたことから、町はのちにオドゥンパザルと呼ばれるようになりました。オドゥンパザルは、その美しい景観で有名です。オスマン帝国時代の伝統的な建築物が残されている数少ない場所のひとつです。狭い通りに肩を寄せ合うように建ち並ぶ建物の多くが2~3階建てです。下の階は、倉庫や石炭小屋として使われ、上階は生活空間になっていました。現在はカフェや土産物屋、飲食店、財団の施設として利用されている家屋も多くあります。
オドゥンパザルの見どころ:クルシュンル・モスク
オドゥンパザルの歴史ある家々の中に溶け込むようにして鎮座しているクルシュンル・モスクは、オドゥンパザルのみならずエスキシェヒルを代表する歴史あるオスマン帝国時代のモスクです。モスクのドームが鉛(クルシュン)で覆われていることから、このような名前が付けられました。モスクは16世紀の宰相であるチョバン・ムスタファ・パシャによって建設されました。設計を手掛けたのはアセム・アリで、彼はオスマン帝国の古典建築における最初の主任建築家でした。このモスクは、礼拝堂(モスク)だけではなくキュッリエという複合施設とともに建設され、泉亭、厨房、墓、隊商宿などは現在もその形を留めています。