認定こども園の他に、小規模保育所、企業主導型保育園、児童発達支援施設、放課後児童クラブを同じ地域に一体的に運営している佐賀県佐賀市のおへそグループは、新たに、中高等部と、ブックカフェ「てつがく珈琲」の新施設を、11月6日(月)にオープンした。

おへそグループについて

おへそグループは、小規模保育所「おへそ保育園」・幼保連携型認定こども園「おへそこども園」・企業主導型保育所「おへそつながり」・児童発達支援施設「おへそこども学園」・放課後学童クラブ「おへそ学道場」などが、ひとつのエリアに共存するインクルーシブコミュニティだ。

ハンディキャップを持った子どもたちも含め、園庭を共有する形で0歳から高校生までの子どもたちが共に過ごしている。

開園当初より取り組んでいる「国際理解教育」が評価され、2015年JICAグローバル教育コンクールにて最高賞である理事長賞を受賞。子ども向けの「哲学対話」を日本で初めて保育に導入するなど、保育内容においても評価されている。

卒業生のリクエストにより中高等部を開設

中高等部は、学童の卒業生によるリクエストから計画が始まった。

おへそグループが運営する放課後児童クラブ「おへそ学道場」では、1~6年生約40人が通っているが、卒業する子たちが少しずつ増え、「中学生になっても、高校生になっても、ずっとおへそにいれたらいいな……」という子どもたちのリクエストを受けて、中等部・高等部を開設することになった。

「中高生に部活や塾以外の居場所っているの?」「自分で家に留守番できるでしょ」と、さまざまな意見があったが、子どもたちは、中学生になっても自分たちが育ってきた安心できる場所で、引き続き、人生についての学び、語り合いを求めていたという。


「中高生の学童」と呼ぶのか、「塾」と呼ぶのか、「居場所」と呼ぶのか、全国的にも珍しい取り組みのようで定義はなかったことから、検討を進め、まずは「中高生の居場所と学び舎」と呼称することになった。

実際、4月から既に中学生が数名通っているが、学校の学習についても上級生が下級生へ、得意な子が不得意な子への「教え合い」で、成績が上がっているようだ。

2週間に1度は、読書会や、共に夜ご飯作りなどを行い、まさに「同じ釜の飯を食う」時間も。おへそグループでは、日々の悩みごとや、たわいもない話、将来の夢や人生計画を語り合うこの場所と時間が、子どもたちの糧となり、自分と周りの人たちを幸せにする力につながると信じているという。