◆夫の浮気、点が線になるとき
長年、「不倫」についての取材を重ねているが、疑惑がいくつか生じたとき、点が一気に線になったと語る女性は少なくない。
「あれ、と思うことがいくつかあって、それがある日、線としてつながって全貌が見えてくる。うちの場合もそんな感じでした」
そう言うのはユキさん(41歳・仮名)だ。結婚して12年、10歳と7歳の子がいる。彼女が最初におかしいなと思ったのは3年前。
「コロナ禍で緊急事態宣言が出た時期、私は自宅勤務になったのですが、夫は出勤せざるを得ない仕事なので、日々出かけていっていました。私は家族が感染しないよう衛生面に神経を使い、栄養のあるものを食べさせたいといつになく料理にも心血を注いでいたんです」
緊急事態宣言が明けたころのことだった。夫が珍しく深夜に帰ってきた。以前だったら夫の帰宅時間に起きていることはなかったのだが、ユキさんはまだ自宅勤務が続いていたため、その日は昼間こなせなかった仕事を片づけていた。
「音もなくリビングに入ってきた夫が私の顔を見てギョッとしていたんです。起きているとは思わなかったんでしょう。おかえりと言ったら、あわてて『ただいま』と言ったんですが、そのときの表情がなんだかおかしかった。ばつが悪そうな気まずそうな。そして次の瞬間、気を引き締めたように顔が変わって、『仕事? 大変だね』って。通常バージョンに戻りましたという感じだったんです。最初の違和感はそこでした」
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