◆デートなのにガチ稽古

「2回目のデートは、アニメ映画でした。話題のアニメだったので楽しみにしていたのですが、彼はそのアニメがとても好きで一人で観に行っていたみたい。私とのデートで6回目の鑑賞だったそうです」

 雅美さんは映画に対する健二さんのものすごい熱量を感じ、映画の感想すら言えませんでした。そして、映画の後に行った公園では、健二さんのデート次のプランが展開されます。

 そのプランは、声優の稽古でした。

「彼は映画の登場人物の声を真似し、『自分の声の感じと映画の主人公の声はどこが違う?』『このパターンとこのパターンはどっちが似ていると思う?』と私に判定を求めてきました」

 その声は公園中に響き渡り、雅美さんは顔から火が出るほど恥ずかしかったそうです。