手紙に用いる「砌」
【こちらの記事も読まれています】
「砌」は、手紙の時候の挨拶にも多用されます。ただし、女性言葉なので男性が使うことはあまりありません。
早春の候:普通は「そうしゅんのこう」と読みますね。しかし、これを「そうしゅんのみぎり」と読んでも正解です。
早春の砌:「そうしゅんのみぎり」と読みます。「早春のみぎり」とひらがなにしても正解です。こちらは「そうしゅんのこう」とは読みません!
最後はこの漢字!「粥ぐ」
「粥ぐ」の読み方をご存じですか?
「粥」は「おかゆ」のことをあらわす漢字なので「かゆぐ」と読んでしまうと間違いになります。
それでは、何と読むのでしょうか?
「粥ぐ」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○ぐ」の3文字
- 「かゆ」と同じく訓読みです
- 「販ぐ」と同じ読み方です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「粥ぐ」の読み方、正解は・・・
正解は
「ひさぐ」
です!
「売る、商売をする」という意味になります。
「粥」は「鬻」の略字で
- おかゆ(水を多く入れて炊いたご飯)
- 売る
- 養い育てる
という意味を持った漢字です。
「鬻」は下に鍋(鬲)があり、米の両側にある「弓」は米から湯気が出ているさまをあらわしています。まさに「おかゆ」を表現するための漢字と言えますね。
「米」のように元々意味のある漢字を組み合わせて別の意味を持たせた漢字を「会意文字」と言いますが、「鬻」も会意文字に分類される漢字になっています。
どうして「おかゆ」に「販」と同じ「売る」という意味があるのか、ということについては諸説ありますが、「売る」をあらわす文字と音読み(「イク」)が一致していたから同じように使われた、という説が有力なようです。
今ではあまり使われることのない文語的表現ですが「粥」という文字に意外な読み方と意味があることを是非覚えておいてください!