預貯金はしているけど資産運用は損をしそうでなかなか踏み切れない……という人も多いのではないでしょうか。しかし、老後資金を無理なく貯めるためには、ある程度リスクを取って資産運用をすることも視野に入れなければなりません。今回は、独身女性におすすめの投資信託活用術として少額から始められる投資方法を紹介します。自分でもできそうな投資方法がないかどうか探してみてくださいね。

独身女性に資産運用が必要な理由とは

(写真=PIXTA)

 

そもそも独身女性はなぜ資産運用が必要なのでしょうか。ここでは「独身女性の貯金事情」「老後生活に必要な金額」「単身世帯の増加」という3つの観点から解説します。

独身女性の貯金事情

2020年4月に女性向けメディア「4MEEE(フォーミー)」が読者向けに行った調査によると、20~30代の独身女性の平均貯蓄額は約220万円でした。20代は収入自体も少ないので20~24歳が約65万円、25~29歳は約200万円と預貯金に回すお金も少ないようです。しかし、30代になると30~34歳が約294万円、34~39歳は約581万円と貯金額はぐっと増えています。

一方で総務省の「平成26年全国消費実態調査 単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」によると、40歳未満の女性は普通預金と定期預金が約8割を占め「多くの人が資産運用をしていない」という調査結果がでています。この状態では、貯金に回したお金を有効活用できている状態とはいえず老後資金に必要な金額を貯めること自体が大変です。

年金だけでは老後の生活が不安

女性の年金受取額の平均は約15万円で65歳の単身女性世帯の消費支出とほぼ同額です。年金だけでもギリギリ生活はできますが余裕のある生活をするには、あと5万~10万円が必要といわれています。毎月約25万円あれば同じおひとり様の生活でも旅行に出かけたり趣味を楽しんだりする余裕が生まれるでしょう。

毎月10万円プラスした生活を65歳から30年続けると仮定すると老後資金は10万円×12ヵ月×30年=約3,600万円が必要です。3,600万円を預貯金だけで確保できるなら良いのですが、超低金利時代ではなかなかお金は増えず目標額に達するかどうか不明瞭といえるでしょう。

単身世帯の増加でおひとり様の老後に備える必要あり

厚生労働省の「人口統計資料集(2019)」によると2015年の50歳時の未婚割合は14.06%、死別が1.88%、離別が10.18%となっています。つまり約26.12%もの女性が50歳時点で独り身ということです。単身女性世帯は年々増加しており老後もおひとり様になる可能性は高いといえるでしょう。単身世帯は夫婦2人世帯に比べると住居費や水道光熱費など固定費の比重が高くなり自由に使えるお金が少なくなります。

また、年金も1人分しか入らないため、夫婦世帯に比べると収入面でも苦しくなる可能性もあるでしょう。このような状況から独身女性は、老後もおひとり様になる可能性を視野に入れて老後資金を確保する必要があるのです。

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独身女性が投資に踏み切れないお悩み3つ

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投資の必要性を理解していてもさまざまな悩みがあり、なかなか投資に踏み切れないという人もいるでしょう。そこでここでは、独身女性が抱えがちな投資の3つの悩みについて解説します。

損をしたくない

20~30代の女性は、「損をしたくない」という思いがとても強く、元本割れのリスクがある投資に踏み切れない人も少なくありません。しかし、投資はリスクとリワードはトレードオフのため、高い利回りを目指すならある程度リスクを取る割り切りも必要です。どうしても損をしたくない場合は、少額から投資を始めてみたり、現金をいきなり投資せずにポイント投資で投資の疑似体験をしたりするなどの方法を試してみましょう。

いきなり大きな金額を投資に回せない

若い世代の女性は収入が少なくなかなか投資に回す金額を確保できない人もいます。実家住みの場合は比較的貯金しやすいのですが、就職のタイミングでひとり暮らしを始めた女性は、特に余裕がない状況です。そのような独身女性は、少額から始められる積立投資を検討すると悩みの解決につながるでしょう。

投資に関する知識がなく不安

若い世代の女性は、投資に関する興味はあるのに知識があまりないことで不安を抱く人も多く見られます。たしかに、専門の知識がないと投資に失敗することも少なくありません。しかし、投資の知識があまりなくても投資できるサービスも多くなってきました。

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独身女性が資産運用に抱く不安を解決する投資方法の比較

(写真=PIXTA)

 

独身女性が投資に抱く悩みの解決方法とおすすめの投資方法について一覧表でまとめました。

お悩み
解決方法
おすすめの
投資方法
元本保証 投資できる
最少額
取引
手数料
投資の手間 1,000万円
貯めるのに
必要な期間
元金保証で
損をしない
で済む
財形貯蓄 あり 1,000円 なし なし 想定利回り
0.001%
毎月5万円
積み立てで
16年8ヵ月
で達成
債券取引 個人向け
国債の場合
に限る
1万円 なし あり 想定利回り
0.05%
毎月5万円
積み立てで
16年8ヵ月
で達成
ポイント投資
(ポイント
運用型)
なし ポイント
投資の
種類による
なし なし 少額運用の
ため計算対象外
少額から
投資をしたい
投資信託
の積立
なし ・口座による
(ネット証券
の場合は100円
からも可能)
販売手数料
と信託報酬
手数料
あり 想定利回り3%
毎月5万円
積み立てで
13年7ヵ月で達成
株式投資の
積立
なし ・口座による
(1万円以上
など)
あり あり 想定利回り5%
毎月5万円
積み立てで
12年2ヵ月で達成
知識があまり
なくても
始められる
ロボ
アドバイザー
なし 1,000円 年率0.65~
1.00%
あり 少額運用以外は
投資信託と同じ

 

それぞれの投資方法について詳しくは次章で説明します。

損をしたくないとお悩みの独身女性におすすめの投資方法

(写真=PIXTA)

 

損をしたくないとお悩みの独身女性におすすめの投資方法を紹介します。

会社の財形貯蓄制度を利用

会社の財形貯蓄制度は、元本保証で条件によっては通常の定期預金よりも利回りが良い場合もある投資方法です。財形貯蓄の種類により積み立てから引き出し可能になる期間が1~5年と違いがあります。財形貯蓄は、積立額に応じて財形住宅ローンの利用ができ財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の場合は合算で550万円まで利息が非課税になる点がメリットです。

会社が財形貯蓄制度を導入している場合は、利用を検討したい投資方法の一つでしょう。

債券取引は比較的安全な投資方法

債券取引は、株式取引などに比べると比較的リスクが低い投資方法の一つです。個人向け国債の場合は、元本が保証されており年利は0.05%と普通預金や定期預金よりも高く設定されています。「元本保証は欲しいが定期預金よりは高い年利の金融商品を探している」という人におすすめです。

ポイント投資(ポイント運用型)で投資の疑似体験

自分がよく利用しているポイント制度にポイントを直接運用するタイプのポイント投資サービスが用意されている場合は、現金を使わずに投資の疑似体験ができます。元本保証ではありませんが少額の投資なため、大きなダメージにはなりません。使い切れないポイントがあれば投資することで期限切れを防ぐこともできます。

毎月獲得したポイントを換金して投資できるサービスも

ポイント投資にはもう一つ別のタイプがあります。ポイントを換金して直接投資信託や株式に投資するポイント投資型です。ポイント運用型でポイント投資に慣れてきたらポイント投資型を始めてみるのも良いでしょう。ポイント投資型は、証券や銀行の口座を開設する手間や自分で投資信託や株式を選んで直接投資する手間はかかります。

少額から投資をしたい独身女性には投資信託の積み立てがおすすめ

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少額から投資を始めたい場合は、投資信託の積み立てがおすすめです。ここでは、「投資信託の積み立て」「税制面で優遇のあるお得なiDeCo」「つみたてNISA」の3つについて紹介します。

投資信託の積み立てなら少額から投資できる

投資信託は、多くの場合1万円からの積み立てが可能です。しかし、ネット証券やネット銀行の場合、100円からの積み立てができるケースもあります。家計の改革途中でまだ万単位のお金を毎月積み立てる余裕がない場合は、投資信託の少額積立から始めてみましょう。

iDeCoで節税しながら老後資金の積み立てを

投資信託で老後資金作りをしたい場合は、iDeCoを利用することで節税をしながら老後資金の積み立てを図れます。iDeCoの年間積立額は全額所得控除できるため、所得税や住民税の節税も可能です。ただし、iDeCoは原則満60歳まで引き出せないため、無理をして積み立て現在の家計が苦しくなることがないよう積立額を慎重に決めましょう。

つみたてNISAでライフイベントに備えつつ投資

つみたてNISAもライフイベントに備えて長期投資向きの投資信託に積立式で投資する方法の一つです。つみたてNISAは、年間40万円まで非課税でiDeCoと似ている部分もありますが、いつでも引き出せる点はつみたてNISAのメリットといえます。つみたてNISAは、教育資金や自宅購入の頭金など現役時代のライフイベントに応じた出費に備える目的で利用すると良いでしょう。

知識がないと不安の独身女性はロボアドバイザーで投資信託デビュー

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投資の知識がなく投資を始めることをためらっている独身女性は、ロボアドバイザーによる投資を検討してみてはいかがでしょうか。ここでは、ロボアドバイザーを利用した投資をいくつかピックアップしました。気軽に試せるものから本格的に投資できるものまであるため、自分に合ったものがないかチェックしてみてください。

お悩み
解決方法
おすすめの
投資方法
元本保証 取引手数料 投資の
手間
1,000万円
貯めるのに
必要な期間
知識があまり
なくても
始められる
WealthNav なし 年率1%
(3,000万円
以下の場合)
なし 投資信託
と同じ
LINE
ワン
コイン投資
なし 年率1%
(3,000万円
以下の場合)
なし 少額運用の
ため計算
対象外
THEO+docomo なし 年率0.65~
1.00%
なし 投資信託
と同じ
ON COMPASS なし 年率0.925%
(税抜)
なし 投資信託
と同じ

WealthNavi

WealthNaviは、最低1万円からの積み立てが可能な投資一任型のロボアドバイザーです。世界中に分散投資するとともに長期の積み立てを前提として自動的に資産を運用します。ただ、投資一任型のため、つみたてNISAには指定できません。しかし、すべておまかせ投資ができるため、投資に関する知識がなくても資産運用が可能です。

LINEワンコイン投資

500円という少額からロボアドバイザーによる自動運用ができる投資一任型の投資方法です。LINEから直接投資ができる点も使いやすくLINEユーザーであればより一層抵抗感なく始められます。少額から始められるロボアドバイザー投資のため、お試しで始めてみてはいかがでしょうか。

THEO+docomo

THEOは、投資一任型のロボアドバイザー投資サービスで1万円から積立投資ができます。THEO+docomoは、「THEOの投資金額に応じてdocomoのdポイントが貯まる」「dカードと連携することでおつり投資で少額投資ができる」という点が特徴です。ポイント運用型のdポイント投資もあるため、THEO+docomoで貯まったdポイントをdポイント投資で運用することもできます。

ON COMPASS

ON COMPASSは、マネックス証券が提供するロボアドバイザー投資サービスです。2020年3月末までは「マネラップ」という商品名でサービスを提供していました。分散投資するとともに為替の変動リスクにも対応しており最低1,000円という少額から投資が可能です。自分で投資信託を選択する必要がない投資一任型で投資信託に関する知識がなくても簡単に投資を始められます。

独身女性が資産運用を継続するためのポイント

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独身女性が資産運用を継続するためのポイントを3点にまとめて解説します。

具体的に目標額を設定

資産運用は、具体的な目標額を設定することで継続しやすくなります。区切りのいい1,000万円でもいいですし、余裕のある老後生活を営むために3,600万円を目標にしてもいいでしょう。目標を設定し毎月の積立額と目標利回りを設定してシミュレーションすると、どれぐらいの期間で目標額が達成できるかが分かります。

毎月資産運用に回す金額を目標額から算出

毎月の家計から捻出できる金額を積立額にすると目標額を目標期間で貯められるかどうかが分かりません。そのため、先に目標額と目標期間を定め逆算して毎月の積立額を決めるようにしましょう。積立額が高くなりすぎる場合は、積立期間や目標利回りなど調整できる部分はないかを検討します。

天引きを利用した貯金も始める

投資信託の積み立ては、給与からの天引きまたは給与支給日にできる限り近い日付で引き落とされるようにしましょう。天引きだと意識せずにお金が自然と投資に回り、ほったらかしでの資産運用ができるようになります。

投資知識がないなら少額から始めてみよう

「投資に関心があるけれど元本割れに抵抗があって始められなかった」という独身女性も自分に適した投資方法を見つけることができれば投資を始めることが可能です。ここで紹介した投資方法は、いずれも少額から始めることができます。投資信託を利用した投資方法も単純に投資信託を選ぶだけではなくロボアドバイザーを利用して投資知識を持たずに投資することも可能です。

投資を迷っている人も自分にできそうな投資方法を見つけて資産運用の第一歩を踏み出してくださいね。

 

つみたてNISAを始めてみる

つみたてNISAは投資信託で資産運用をする制度であり、少額で投資を始めることができます。つみたてNISAには3つの大きな魅力があります。

・非課税期間は最長20年
・少額から始められる
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藤森みすず
大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。FX・保険・不動産・フィンテックなど、金融に関する記事を多く手掛ける。
大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。FX・保険・不動産・フィンテックなど、金融に関する記事を多く手掛ける。
 

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