今回ももちろん、天樹をはじめ、海老沢芳樹(田辺誠一)、坂下路敏、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)、そして、法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)の7人のスペシャリストが躍動。事件解決のサスペンス要素に加えて、犯罪の裏に潜む人間の弱さや複雑な心理までも丁寧に描き出す骨太な人間ドラマというシリーズの醍醐味(だいごみ)はそのままに、さらなる波乱の予感が!?

 ある死刑囚が、死の直前に残した手記。そこには10年前に犯したある殺人事件について、関与を一転して否定する供述が記されていた。しかし、手記は何者かによって持ち去られてしまう。それがすべての始まりだった――。その頃、天樹たち新専従捜査班のメンバーは、それぞれが今後の人生について悩みを抱えていた。長く刑事として現場に立ち、日常的に事件=人々の死と向き合うということは、確実に天樹たちの心を蝕み、新専従捜査班のメンバーは少しずつバラバラになり始めていた。そんな中、次々と発生する殺人事件。捜査を開始すると、殺害された人物たちは、10年前のある事件に関わりがあった。

 時を同じくして、何者かにより警察組織の内部告発を行う「暴露チャンネル」が始動。告発される不正を働いた警官たち。その経歴にもまた、10年前の殺人事件が絡んでくるのだった。さらに、その中には片桐の名前も。試される新専従捜査班の絆。そして、天樹たちの前に現れる、事件の鍵を握る盲目の女性と謎の男たち。すべての先には、悲しき真実が待っている。

 77回ものストーリーをメンバーと共に紡いできた東山は、「今回は、刑事としての使命感、人間としての葛藤を抱えた新専従捜査班メンバーが、それぞれの思いを抱きながらも、事件を追っていくチーム力を表現したいと思っています。過去と現在とが交錯する物語のスケール感も見ものですが、やはり被害者の方の立場からすると、事件というのは過去のものではなく、いつも現在進行形だと思うんです。そういう方たちの思いをくみつつ、われわれも刑事という側面だけではなく、被害者の方と同じように悩みを抱えた等身大の1人の人間として演じられればいいですね。人間ってどこかで必ず、選択を迫られることがあります。弱さというのは人間らしさの一つだと思いますので、そんな葛藤の末の決断が、今回の天樹の“刑事引退”なのか…。楽しみにしていてください」と意気込みを語った。