――ニュースの拾い方について、どう考えていますか?

「どのニュース媒体、どのジャーナリストでも主観は入ってきます。そもそも“どのトピックを掲載するか”の時点で、既に主観が入っているわけです。もっと大枠でいうと、日本のニュースメディアは“日本人にとって受けがいいニュース”を選んでいるので、“日本語でしか情報を得られない”という時点で選択肢が狭まっているとも言えます。たとえば環境問題で『北極の氷が溶けています』というニュースは流れてきても、『アメリカの若者が環境問題に対してこんなアクションを起こしています』というニュースは、なかなか日本のメディアでは報道されませんよね。

 “マジョリティーに受けのいいニュースを流す”というのはアメリカでも起こっていて、私の身近な例でいうと、ここ最近、カリフォルニアではアジア系が被害者になる銃撃事件が相次いでいます。でも、そういうマイノリティーが被害者になる事件は、大手メディアでなかなか取り上げられなかった。そこへアジア系のジャーナリストたちがSNSで問題提起をして、やっと認知されるようになった…ということがありました。私はそれをきっかけにアジア系のジャーナリストをフォローするようになりました。