過去26年間に世界で最も裕福な人々約1,200人に取材を行った、『金持ちになる男、貧乏になる男(How Rich People Think)』の著者、スティーブ・シーボルト氏によると、庶民と富裕層のお金に対する見方には、100項目以上の違いがあるといいます。「お金の使い方」もその一つです。

「感情的」「理論的」お金の使い方の違い

富裕層と庶民でお金の使い方が異なるのは、所得や所有している資産に影響されるだけではなく、お金の使い方に習慣や思考が反映されるためです。

シーボルト氏いわく、庶民は「感情の目」を通してお金を見る傾向があるのに対して、富裕層は「理論の目」を通してお金を見る習慣を身に付けています。言い換えると、お金を「物質的な満足感を満たすためのツール」と見なすか、「自分や家族の人生にチャンスやオプションを与えてくれるツール」と見なすかの違いです。

そう考えると、「富裕層は衝動買いや浪費をしない」という説にも、説得力が感じられるのではないでしょうか。

ここが違う!お金の使い方 3つの例

贅沢やご褒美は最初?最後?

庶民はまとまった金額のお金を手にすると、ブランド物や車、電化製品、ホリデーといった贅沢のために真っ先にお金を使いますが、富裕層はビジネスや投資などさらにお金を増やすことを優先します。

庶民は所得相応以上の生活を目指し、富裕層は所得より下の生活で満足する

「富裕層は収入が多いから、生活基準が高くても所得内におさまる」「高級車や豪邸を所有している富裕層もたくさんいる」という意見もあります。しかし、富裕層が高級車や豪邸を所有する目的は物欲を満たすためではなく、あくまで資産価値を考慮した投資です。

実際、1996年式のホンダ・アコードが愛車のジェフ・ベゾス氏を筆頭に、性能を重視したベーシックなものを普段使いに選ぶ富裕層も少なくありません。