幼稚園にも保育園の延長保育のようなサービスがあるのはご存知でしょうか? 預かり保育という名前のサービスで、全国の幼稚園で導入園が増え続けています。共働き家庭にも嬉しい、幼稚園の預かり保育について、料金や利用時間、保育園の延長保育や一時保育との違いなどをご紹介します。

幼稚園の預かり保育とは?

幼稚園の預かり保育って何? 保育園の延長保育、一時保育とどう違うの?
(画像=『はいチーズ!clip』より引用)

保育園の延長保育と同じで、教育時間を超えて子供を預かるサービスです

多くの幼稚園の教育時間は、9~14時頃までと非常に短い時間となっています。そのため、パートや時短勤務などで働くママは通常の教育時間では幼稚園のお迎えに間に合わない場合があります。そんな時に利用されるのが幼稚園の「預かり保育」で、保育園の「延長保育」と考え方やサービス内容は同じです。

幼稚園の預かり保育は、保育園の延長保育ほど遅い時間まで対応はしていませんが、パートやアルバイト、時短勤務で働くママにとっては非常に有難い制度です。預かり保育が無いと、働くママは午前中で仕事を切り上げてお迎えに行かなければなりません。それができなければ幼稚園から保育園へ転園ということになってしまい、保育園の待機児童がさらに増えてしまう可能性も出てきます。そういった意味で、預かり保育は待機児童問題解消の一端を担う制度とも言えます。国も同じように考えていて、たくさんの幼稚園で預かり保育を取り入れるよう推進しています。

どのくらいの幼稚園で預かり保育は実施されているの?

公立幼稚園 私立幼稚園
預かり保育実施率(実施園数) 預かり保育実施率(実施園数)
1997年 5.5%(330) 46.0%(3,867)
2016年 66.0%(2,549) 96.5%(6,352)

※文部科学省「平成28年度幼児教育実態調査」より抜粋

2016年のデータでは公立の66%、私立の96.5%が預かり保育を実施

2016年に文部科学省が発表した「平成28年度幼児教育実態調査」によると、公立幼稚園の66%、私立幼稚園の96.5%が預かり保育を実施していることがわかりました。ほとんどの私立幼稚園では預かり保育が実施されているのに、公立幼稚園では預かり保育実施率が低いのはなぜなのでしょうか?

預かり保育は、1997年度から文部科学省がはじめた「預かり保育推進事業」から始まっています。この事業は私立幼稚園を対象に、助成を行ったり、地方交付税を運営に充てたりなど、国をあげて預かり保育に対する資金面の支援を行ってきました。このように、行政による預かり保育の運営費助成が私立幼稚園を対象にしていたため、公立と私立での預かり保育の実施率の差が広がりました。幼稚園の預かり保育事業自体は非常に注目されている制度のひとつでもあるため、今後は公立幼稚園での導入も増えていくことが期待されます。

幼稚園の預かり保育は何時まで預かってくれる?

公立幼稚園 私立幼稚園
預かり保育実施率(実施園数) 預かり保育実施率(実施園数)
教育時間開始前のみ 0.3%(6) 0.2%(13)
15時以前 7.1%(160) 0.8%(52)
15時~16時 22.3%(506) 3.1%(193)
16時~17時 28.8%(653) 18.1%(1,135)
17時~18時 27.2%(616) 48.7%(3,063)
18時~19時 14.0%(317) 28.0%(1,761)
19時以降 0.4%(8) 1.1%(68)

※文部科学省「平成28年度幼児教育実態調査」より抜粋

幼稚園の預かり保育の終了時間について2016年の調査データを紹介

2016年の文部科学省「平成28年度幼児教育実態調査」の調査データが上記表になります。幼稚園によって預かり保育時間は異なりますが、公立幼稚園では預かり保育は16時~17時までの幼稚園が約3割と最も多く、ほぼ同じ割合で17時~18時まで預かり保育を行っています。一方、私立幼稚園では預かり保育は17時~18時までという幼稚園が約半数を占めており、その次に多いのが18時~19時までの預かり保育となっています。

全体的に公立幼稚園より私立の方が遅くまで預かり保育を実施している場合が多いですね。また、公立・私立共に教育時間開始前の早朝に子供を預かってくれる幼稚園があったり、19時以降も預かり保育に対応してくれる幼稚園が増えつつあります。今はまだ少ないですが、保育園並みの時間で預かり保育を実施してくれる幼稚園も増えつつあり、パパママにとっては嬉しい状況と言えるでしょう。

時短勤務のママだと、16時や17時で勤務終了という会社もありますので、預かり保育を活用すれば働くママも幼稚園を利用することができますね。待機児童問題がなかなか解消されず、保育園に入るのが難しい子供が多い中、保育園以外に幼稚園という選択肢が増えるのは嬉しいですね!

千葉県松戸市では幼稚園の預かり保育を保育士がサポートする試みを運用中

千葉県松戸市では、幼稚園の預かり保育を保育園から派遣された保育士がサポートする試みが始まっています。待機児童問題を解決するために、これまでは保育園を増やす施策が取られてきました。しかし、保育園を増やすのは費用面や開所までの時間もかかります。そのため、松戸市は幼稚園の預かり保育時間を延ばしたり、受け入れ人数を増やすことで待機児童問題を改善させようという試みをスタートさせているわけです。

預かり保育のために幼稚園の開所時間を早めたり、預かり保育の時間を延長するには幼稚園の人員を増やす必要がありますが、どの幼稚園も人手不足です。仮に人が採用できたとしても給与負担も園に重くのしかかります。そのため、松戸市は保育園から保育士を幼稚園に派遣する制度をスタートさせました。この施策のメリットをまとめてみると…

  1. 人材不足問題は保育園から保育士を派遣してもらい解決
  2. 保育士を派遣してもらう費用の一部を松戸市が負担
  3. 定員割れしている幼稚園は預かり保育時間を長くすることで新たな園児が獲得できる
  4. 保育園は保育士派遣で新たな収益を獲得できる
  5. 松戸市は新たな保育園を新設してもらうための費用負担がなくて助かる
  6. 夫婦共働きのパパママは幼稚園に子供を預ける選択肢が増える

というわけです。こういった工夫が全国に広がれば、幼稚園も夫婦共働き世帯の子供を預ける選択肢の1つとなり、待機児童問題の改善が進みそうです。